各自治体が、季節ごとの地域イベントを開催しています。特に、夏はお盆の時期や夏休みと重なるため、旅行客に加えて地元に帰省する方をターゲットにした多くのイベントが開催されます。
住民のコミュニケーション促進の意味でも、自治体が開催するイベントの持つ意味合いは大きいといえるでしょう。
本記事では、自治体が開催する夏のイベントを開催する目的や成功に導くポイント・課題・集客方法について解説します。併せて夏のイベントプロモーションの成功事例をご紹介しますので、地域イベントの集客で悩んでいる代理店や自治体のご担当者は、ぜひ参考にしてください。
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夏はお盆の時期や夏休み期間を含むため、旅行客に加えて地元に帰省する方などをターゲットにした様々なイベントが開催されます。夏に開催される主なイベントとして、以下が挙げられます。
本章では、これらの夏のイベントを開催する目的について解説します。
夏のイベントを開催することで、地域住民が楽しめる場が生まれます。その結果、住民同士ならびに企業・自治体との交流が深まります。加えて、地域住民以外の来訪者が多く訪れると、新たな交流を作り出せるでしょう。
ノベルティを作成してプレゼントしたり、地域にゆかりのあるゲストを招いてトークショーを開催したりするなど、住民がより楽しめる場所や機会を創出できます。
夏のイベントの目的の一つは、地域外を含めて多くの来訪者が訪れることによる地域経済の活性化です。
例えば、地域特産の食材やご当地グルメを提供するグルメフェスを開催し、多くの来訪者を呼び込んでいる事例などがあります。
過疎化や地域経済の衰退などの課題を抱える自治体にとって、夏のイベントは経済活性化の有効な手段として活用されています。
夏のイベント開催により、地域の知名度向上とブランド力アップを図れます。地域の特徴を活かした商品やサービスのブランド化と、地域イメージのブランド化の相乗効果によって好循環が生まれます。
夏のイベントを成功に導くには、綿密な準備が必要です。ここでは、夏のイベントを成功に導くためのポイントを5つに絞って解説します。
多くの夏のイベントは、地域住民だけでなく観光客などの地域外の方をターゲットに開催します。したがって、観光客をターゲットとしたプロモーションが重要です。
地域経済の活性化と知名度・ブランド力の向上を図るには、地域の特徴や伝統文化をPRする催し物が効果的です。例えば、盆踊り大会において地域に伝わる伝統的な踊りを参加者が一体になって楽しむ企画などが考えられます。
夏のイベントを開催するにあたり、天候や気温への入念な準備と対策が求められます。特に屋外で開催するイベントは、悪天候や熱中症への対策を事前に講じておかなければなりません。
ゲリラ豪雨などの悪天候への対策に加えて、雷雨が発生した場合は参加者の安全を考慮してイベントの中断・中止を決断する必要があります。
イベントを開催するにあたり、備品の準備と適切な管理が不可欠です。イベントの規模に応じてテントや音響備品などの適正量を算出して、事前に調達しなければなりません。
来場者の行動をイメージして必要な備品の準備を怠らないようにしましょう。例えば、ファミリー層の参加が見込まれるイベントを開催する場合、授乳スペースの確保などの対応が求められます。
長年愛されてきた伝統あるイベントを継続して開催する際、歴史的背景や地域特性などを考慮せずに大幅なアレンジを加えると、地域住民から反発を招く可能性があります。過去からのしきたりを大切にする方にとって、歴史や伝統を軽んじた改変は受け入れがたいでしょう。
日本各地で開催されているイベントの中には、数百年の歴史を持つものも数多く見受けられます。イベントに新たな変化を加える際は、歴史的な背景や地域特性を十分に考慮しなければなりません。
夏のイベントを開催するにあたり、地域の魅力やイベントの歴史・由来・開催目的を参加者に伝わりやすくする工夫が必要です。老若男女に伝わるように難しい専門用語をなるべく使用せず、一目でわかるようなビジュアルでのPRなどが不可欠です。
夏のイベントプロモーションをおこなう際に、課題を明確にすることによって効果的なプロモーションの実施が可能になります。ここでは、夏のイベントプロモーションにおける課題について解説します。
少子高齢化と人口減少にともない、担い手不足などが原因で開催自体が難しいイベントも増えています。それゆえ、高齢化や人口減少を見据えた対応が必要です。
地域の学校とタイアップしてイベントへの積極的な参加を促すほか、地域住民との協働でイベントを企画するなどの方法が考えられます。
夏のイベントをプロモーションする際は、自治体の地域性や特性にマッチした訴求をおこなわなければなりません。
例えば、高齢者が多い地域では、Webメディアよりも紙媒体やラジオ・ケーブルテレビなどの方が効果的でしょう。地域によっては地方紙やフリーペーパーのシェアが高いケースも見受けられます。
地域性に合った手法でターゲットに適したプロモーションを展開すれば、期待するような成果が得られるでしょう。
魅力的な夏のイベントを企画しても、適切なプロモーションを展開しなければ思うような成果を上げられません。ここでは、夏のイベントで効果的に集客するための4つの手法をご紹介します。
夏のイベントを周知するうえで、「X(旧Twitter)」や「Instagram」などのSNSは有効な手段の一つです。費用をかけずに手軽な情報発信が可能です。
また、SNSの場合はフォロワーの情報拡散によって、広範に情報が伝わる効果も期待できます。画像や動画などが短期間で爆発的に話題が広がって「バズる」状態になると、低予算で高いプロモーション効果が得られるでしょう。
夏におこなわれる多くのイベントで、公式ホームページが開設されています。ホームページの特徴は、動画や画像などを用いてイベントの魅力などを伝えやすい点です。
また、ホームページはイベントのスケジュールやアクセス方法などの正確性を求められる情報発信に適しています。加えて、SNSなどで広く発信する情報の流入先としても活用できます。
ポスティングは、限られたエリアの地域住民に対して高いプロモーション効果を発揮する手法です。ポスティングの特徴として、配布したその日にダイレクトに情報が届けられる点が挙げられます。
また、年齢を問わずイベント自体を認知していない方にイベントを訴求できる点もメリットです。
看板広告は、持続的な広告効果が期待できるプロモーション手法です。看板が見えるエリアを生活圏とする方に対して、一定期間継続してイベントを訴求できます。
規模の大きなイベントの場合、都市部の不特定多数の人々が集まる場所に看板広告を展開して、イベントの周知を図るやり方も一般的です。
各自治体では、地元企業などとのタイアップによる様々なイベントを開催し、効果的なプロモーションによって認知を拡大して成功を収めています。
ここでは、夏のイベントプロモーション事例を5つご紹介します。
岐阜県養老町で開催されている「養老盆踊り大会」は、2017年に35年ぶりに復活した盆踊り大会です。
夏または養老をテーマとしたコスプレや仮装を楽しむ「コスプレ仮装盆踊り大会」など、催しをPRするチラシの配布やSNSでの投稿を実施。盆踊り以外にも、養老サイダーの一気飲みイベントなどが開催されています。養老サイダーは日本で最初のサイダーと呼ばれており、イベントによりさらなる知名度アップを図っています。
養老公園県営化100周年と都市公園制度制定150周年記念となる2023年の大会は、新型コロナウイルス感染拡大を経て4年ぶりに開催され、大いに賑わいを見せました。
新潟県長岡市で毎年8月初旬におこなわれる「長岡花火」は、日本屈指の花火大会の一つとして全国から多くの観覧者を集めています。2023年大会の有料観覧者数は、延べ29万5千人を記録しました(※1)。
長岡花火のルーツは、昭和20年8月1日の長岡空襲で亡くなられた方に対する慰霊と、長岡の復興を願って開催された長岡復興祭りです。大会の目玉となる復興祈願花火フェニックスは、2004年に発生した新潟県中越地震からの復興と支援者への感謝の象徴として生まれました。
「長岡花火 公式アプリ」が提供されており、長岡花火ブランドの発信力の強化や来場者へのおもてなし向上を図るなどのプロモーションを展開しています。さらに、近年では長岡花火がテレビ番組で生中継され、多くの方に注目されています。
※1)長岡市 長岡まつり大花火大会 有料観覧者数は29万5千人
北海道二海郡の「八雲山車行列」は、北海道三大あんどん祭りの一つとして知られています。町民参加をベースとして、町民の心をつなぐ地域の新たな文化創造と位置付けられているお祭りです。
毎年30台前後の山車が八雲町内を練り歩き、それぞれの団体が太鼓やおはやし・踊りなどで工夫を凝らしています。祭りの最後にはお菓子まきや餅まきなどおこない、沿道の観客と一体になって祭りのフィナーレを飾ります。
山車行列の舞台裏を公式ホームページで公開するなど、各種メディアを活かしたプロモーションを展開しているのが特徴です。
東京都江戸川区で開催されている「ECO EDO 日本橋」は、江戸時代に日本橋で育まれた涼を取る生活の知恵や工夫を現代流にアレンジしたイベントです。
夏限定グルメで食べて涼を取ったり浴衣を着て涼を取ったりと、様々な視点で涼を楽しめます。日本橋の老舗飲食店や百貨店・商業施設などのかき氷が屋台で集結する「日本橋かき氷フェスティバル」など、日本橋の魅力を伝えるイベントも満載です。
また、素敵な写真を投稿した⽅の中から抽選で素敵な景品をプレゼントする「Instagram投稿キャンペーン」などのプロモーションを展開しています。
山形県山形市で毎年8月5日から7日に開催される「山形花笠まつり」は、山形県を代表するお祭りの一つです。毎年100万人近くの観客を集めるだけでなく、踊り手としても14,000人近い方が参加する夏の一大イベントです。
市の中心市街地のメインストリートでは、参加者が独自の趣向を凝らした「創作花笠踊り」を含む多彩な踊りが披露されます。
山形市のホームページでは、「あなたに見せたい山形花笠まつり」をテーマにした観光PR動画などを公開。また、国内外の観光プロモーション事業や各種イベントにミス花笠を派遣して、山形花笠まつりのPRをおこなっています。
自治体が地域の魅力を発信して、集客を増やすための手法としてWeb広告が挙げられます。本章では、自治体向けのWeb広告配信プラットフォーム「まちあげ」をご紹介します。
「まちあげ」では、マイクロアドが提供しているマーケティングデータプラットフォーム「UNIVERSE」が収集・分析する多種多様なデータを活用できます。地方自治体がおこなっている各種取り組みに対して、興味や関心を持っているユーザーにターゲットを絞った広告配信が可能です。
位置情報データやライフスタイル系のメディアデータを活用し、夏のイベント訴求に効果的な配信エリアの設定や、興味関心層へのアプローチがおこなえる広告配信ツールです。
「まちあげ」では、Web上の行動履歴や位置情報データを基に、夏に開催するイベントに親和性の高い層を捉えた広告配信が可能です。また、広告に興味を示した方の自治体への来訪計測を実施して、推定消費額を算出できます。広告効果を可視化でき、配信数値を基に目標単価に向けた細やかな調整と改善施策を講じることができます。
マーケティングプロダクト「まちあげ」は、地方自治体が実施する、夏のイベントプロモーションに貢献する広告配信ツールといえるでしょう。
夏は、旅行客に加えて地元に帰省する方などをターゲットにした様々なイベントが開催されます。夏のイベントの特徴として、屋外でおこなわれるケースが多いため、天候や気温への入念な準備と対策が求められます。
本記事では、夏のイベントを成功に導くポイントやプロモーションにおける課題について解説しました。地域の特徴や伝統文化などをPRする催し物を開催して、効果的なプロモーションを実施できれば、地域経済の活性化や住民同士の絆を深めるなどの効果を得られるでしょう。
記事の後半では、夏のイベントプロモーションに貢献するツール「まちあげ」をご紹介しました。夏のイベントプロモーションを効果的に実施したい代理店のご担当者は、活用を検討してみてはいかがでしょうか。