地域の魅力を国内外に幅広くPRするために、動画を活用する自治体が増えてきました。その目的は、地域の認知度の向上や訪日インバウンドの集客など多岐にわたります。
本記事では、自治体のプロモーション動画の目的・役割やプロモーションをおこなうメリット・課題・成功に導くポイントについて解説。さらに、自治体のプロモーション動画の成功事例をピックアップしています。
記事の後半では、自治体の動画を活用したプロモーションに役立つマーケティングプラットフォーム「まちあげ」をご紹介しています。プロモーション動画に取り組む自治体や代理店のご担当者は、ぜひ最後までご覧ください。
動画投稿サイトが普及する以前から、多くの自治体がTVのCM等での映像を使ったプロモーションをおこなってきました。昨今は、YouTubeなどの動画投稿サイトの登場により、プロモーション動画がより重要視されるようになっています。
ここでは、自治体のプロモーション動画の目的と役割について解説します。
プロモーション動画は、地域に根ざした情報発信による認知拡大と地域活性化の役割を果たしています。具体的には、観光名所や特産品の紹介のほか、地域の取り組みやイベント情報などのPRに活用されています。
また、プロモ―ション動画は地域に興味関心がある方に加えて地域住民も視聴するため、地域の魅力の再確認にもつながるでしょう。
多くの外国人観光客は、訪日前にインターネットで情報を収集しています。動画配信プラットフォームには字幕対応が可能なサービスも多く、訪日外国人観光客に向けたプロモーションとしても効果的です。
動画で情報を発信すると、視聴者がより具体的に地域のイメージを想像できるという点でも役立ちます。
多くの自治体が様々な目的でプロモーション動画を作成して情報を発信しています。本章では、自治体がプロモーション動画に取り組むメリットについて解説します。
自治体がプロモーション動画に取り組むメリットは、インターネットおよびYouTubeの利用率が高い若年層への認知拡大が期待できる点です。
総務省の「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」によると、10代〜40代はテレビの視聴時間よりもインターネットの利用時間の方が長いという調査結果が出ています。
また、YouTubeの18歳以上の国内アクティブユーザーは7120万人を超えています(※1)。総務省の「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>)によると、YouTubeの利用率は全世代平均で87.1%。60代でも利用率は6割を超えており、若年層を中心に幅広い層に認知拡大を図れます。
※1)Think with Google 2023 年の YouTube 視聴はますます多様に —— テレビデバイスで月間 3,800 万人、ショート動画も前年度より加速
プロモーション動画を活用すると、映像と音声で短時間に情報を伝えられます。写真と文字情報で形成されるパンフレット等に比べて、動画は視覚と聴覚に訴えることができるため、印象に残りやすいでしょう。
YouTubeは全世界のアクティブユーザーが約25億人にのぼる動画配信プラットフォームです。プロモーション動画をYouTubeに投稿すると、海外への情報発信にも有効です。
さらに、プロモーション動画はYouTubeなどの動画配信プラットフォームだけでなく、SNSでの発信も可能です。全世界のアクティブユーザー数はFacebookが約30億5千万人、Instagramが約20億人にのぼり、SNSを通じて世界中の多くの方に情報を届けられます(※2)。
※2)statista Most popular social networks worldwide as of January 2024, ranked by number of monthly active users
プロモーション動画を見て興味や関心を持った方は、SNSで情報を知人に共有したり不特定多数に情報を拡散したりする傾向があります。発信した情報が広く拡散されやすいのは、メリットといえるでしょう。
自治体のプロモーション動画では、主に観光スポットや文化・グルメなどの地域の魅力を発信しています。
動画を見て地域に興味関心を持った視聴者は、その地域を観光で訪れたり移住先の候補として検討したりする可能性があります。すなわち、観光客や移住者の増加促進を図る役割が期待できるといえるでしょう。
プロモーション動画の運用に取り組む際は、メリットだけでなく課題についても理解しておかなければなりません。ここでは、自治体がプロモーション動画を作成・運用する際の課題について解説します。
自治体のプロモーション動画は、地域の魅力を伝えたいために1本の動画に情報を多く盛り込みがちです。情報量が多くなりすぎると、動画の目的や訴求したい内容が不明瞭になり印象に残りづらくなります。伝えたい内容は重要なものに絞り、印象に残るプロモーション動画を作成しましょう。
自治体ごとにプロモーションに使用できる予算はあらかじめ決められています。それゆえ、プロモーション動画の作成・運用にあたっては、予算と制作費のバランスを取るのが難しいのが課題です。
予算に限りがあるため、制作費が少なすぎてイメージ通りの動画がつくれないケースが考えられます。逆に、プロモーション予算が潤沢な自治体では、制作費をかけすぎて費用対効果が低くなってしまう恐れがあります。
昨今、多くの自治体がプロモーション動画の作成・運用に取り組んでいます。魅力的な内容の動画がたくさんあり、差別化が難しいのが課題です。旅行や観光に興味関心がある層や移住を検討している層など、ターゲットを明確にしたうえでプロモーション動画を作成しなければなりません。
プロモーション動画を作成し配信したあとは、視聴回数や途中の離脱率などの分析が欠かせません。定量的な分析ができていなければ、プロモーションの効果を判断できません。
例えば、YouTubeで公開した動画の視聴回数が少ないのであれば、Web広告での配信を検討するなど対応を考えなければなりません。途中で離脱している割合が高ければ、コンテンツのクオリティを再考する必要があります。
数多くの自治体のプロモーション動画が既に公開されているため、新たに動画を作成して成功に導くのに難しさを感じるプロモーションご担当者も多いでしょう。
本章では、プロモーション動画を作成・運用する際に押さえておくべき4つのポイントについて解説します。
自治体がプロモーション動画を作成する目的や理由は様々です。観光客を増やしたい、あるいは移住者を増やしたいなど目的は多岐にわたるでしょう。プロモーション動画を作成する前に、まず動画の目的やターゲットを決める必要があります。
目的を決めてターゲットを絞り込まなければ、伝えたい内容が不明瞭でどの層にも興味関心を持たれない動画になりかねません。プロモーションの目的と訴求する内容をあらかじめ明確にしたうえで動画を作成しましょう。
また、伝えたい内容を盛り込みすぎると、訴求したいことが伝わらず視聴者の印象に残らない動画になりかねません。一本の動画で伝えたい内容を絞り込んで、訴求内容を明確にしましょう。
自治体のプロモーション動画では、地域が持つ魅力や他にはない独自性などをアピールして視聴者の興味関心を惹く必要があります。
タイトルやサムネイルが目を惹く動画や、人気のタレントやインフルエンサーを起用した動画を作成すれば、多くの視聴回数を獲得できると期待しがちです。
もちろん視聴回数も重要ですが、視聴した方が実際にその地域に興味関心を持って訪れたいと思う内容が求められます。
動画を作成する際に、動画配信サイトやSNSにより拡散されることを意識した構成を心がけましょう。動画を見た視聴者がSNSで拡散すると一気に話題になって興味関心を惹く、いわゆるバズる状態となります。
ただし、SNSで拡散されると注目を集めるだけでなく、炎上するリスクも高まります。この点に留意したうえで、動画を作成・運用しましょう。
自治体が作成したプロモーション動画を配信する場所として、ホームページやYouTube・SNS・Web広告などが挙げられます。
YouTubeやSNSは配信ごとに費用はかかりません、しかしながら、競合が多く目に留まらない可能性があります。Web広告はSNSやYoutubeと違って配信ごとに費用が発生しますが、配信した日から多くの方に動画を届けられます。
費用対効果を吟味したうえで、配信場所を決める必要があります。
自治体のプロモーション動画の目的は、観光客の増加を図るものや地域の魅力を伝えて認知度を高めるものなど様々です。
本章では、それぞれの目的に合わせてつくられたプロモーション動画のなかで成功している事例をご紹介します。
栃木県日光市のプロモーション動画は、観光誘客を図る目的で作成し配信されています。市内約40ヶ所の観光スポットや文化体験などをそれぞれの四季にわけて紹介する約5分の動画です。
ナレーションを使用せず、ドローンを使ったダイナミックな映像とBGMで構成されています。地域の魅力を視覚にダイレクトで訴えかける美しい映像が評判となり、2024年4月末現在で16万回の再生数を記録しています(※3)。
※3)日光市 【日光市観光PR動画】Re:NIKKO
北海道旭川市のプロモーション動画は、旭川が誇る観光スポットを2分間に凝縮した内容になっています。人気の高い旭山動物園や、ジンギスカンなどの北海道ならではのグルメに冬景色など、旭川の魅力が短時間で伝わる動画です。
各スポットの紹介は映像と英語での名称表記のみで、訴求内容が明確で海外の方にも伝わるシンプルな作りになっています。
千葉県印西市は、知名がインド(印度)に似ていることにインスパイアされて、インドのボリウッド映画を再現したプロモーション動画を作成しました。「インドじゃないよ、印西市」というインパクトがあり覚えやすいキャッチコピーが印象に残る動画です。
主人公のインド人が印度だと思って来たら実は印西であったというストーリーや、市民120名によるダンスシーンなど手の込んだ演出でも話題になりました。インパクトがあるだけでなく、空港へのアクセスの便利さや地域の魅力もしっかり伝わる非常にクオリティの高い動画です。
福岡県北九州市と山口県下関市によるプロモーション動画「COME ON!関門!」は、関門海峡エリアの魅力を発信し、観光誘客を図るために作られました。
海外向けにプロモーション展開するために、出演者のセリフは英語で日本語字幕付きで制作されています。観光スポットの紹介などは入れずに、「関門」という名前の認知拡大に絞った内容になっています。
日本の映像業界の超一流スタッフが制作し、クオリティの高い動画が完成しました。再生回数は2024年4月末現在で2億回を超えています(※4)。
※4)北九州市観光情報ぐるリッチ北Q州 関門海峡PRムービー「 COME ON!関門!」
神奈川県小田原市の「おだわらでみつけたもの」は、東京からの移住をテーマにしたショートストーリー仕立てのプロモーション動画です。子育て世帯の家族の風景を元に、1話2〜3分ほどの全7話のショートドラマが展開します。
海と山の豊かな自然に恵まれて東京へのアクセスも良い小田原市の魅力を伝える内容で、移住を検討する方が思いを巡らせる住み心地などが連想しやすい動画に仕上がっています。
自治体で作成したプロモーション動画は訴求したいターゲットに適切に届けられなければ視聴回数が増えず、期待された効果を得られません。そこで、低クリック単価でプロモーション動画を広告配信できるサービスとして、「まちあげ」をご紹介します。
「まちあげ」では、動画配信メディアの「Tver」の閲覧ユーザーに対し広告配信が可能です。さらに保有しているデータを活用し、より詳細にターゲティング設定が可能です。観光や移住に興味関心のあるユーザーを絞り込んで、効果的にプロモーションできます。
「まちあげ」では、目的に応じた詳細なターゲット設定および分析が可能です。属性や年齢・居住エリアだけでなく、旅行の目的やゆかりの土地など詳細なターゲット設定ができます。
また、広告配信した訴求内容に関心を持った方の属性など、様々な分析レポートを提供可能です。加えて、広告配信の前後を比較した効果計測により費用対効果を可視化できます。
自治体がプロモーション動画を作成する目的・メリットや課題に加えて、動画運用を成功に導くポイントについて解説しました。
多くの自治体がプロモーション動画を公開しているなか、地域が持つ魅力や他にはない独自性などを効果的に発信して、視聴者の興味関心を惹く必要があります。そのためには動画の目的・ターゲットを明確にしたうえで、費用対効果を吟味して配信先を決めなければなりません。
記事の後半では、自治体のプロモーション動画の広告配信に適したサービス「まちあげ」をご紹介しました。地域の魅力を伝えるプロモーション動画の効果的な運用にお悩みの自治体のご担当者は、「まちあげ」の利用をご検討ください。