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DMOと観光協会の役割の違いや、DMOの課題・成功事例を解説

作成者: まちあげパン太|Mar 5, 2024 9:13:27 AM

DMOは観光地域づくり法人と呼ばれています。日本国内や海外に向けて、地域の魅力を発信するにはプロモーション活動が不可欠です。しかしながら、各地域や個々の店舗でプロモーションをおこなうには限界があります。

 

そこで、地域の稼ぐ力を引き出して活性化を図り、海外からの訪日旅行や国内旅行を増やすためにDMOが必要とされるようになりました。DMOは観光地域づくりにおいて、自治体や民間企業など官民が一体となって連携するための中心的な役割を果たします。

 

本記事では、DMOとは何か?、また観光協会の違いや活用事例に加えて、DMO設立に必要な要件や推進するために必要なものを解説します。記事の後半には、地域の観光振興に役立つ広告配信プラットフォーム「まちあげ」のサービスもご紹介しますので、最後までご覧ください。

 

目次を表示

  1.  DMOとは?海外版と日本版の違いとは
     1.1 海外版DMOとは
     1.2 日本版DMOとは

  2.  DMOと観光協会の違い
     2.1 DMOの種類と役割
     2.2 観光協会の役割

  3.  日本版DMOの成功事例
     3.1 せとうちDMO
     3.2 UNDISCOVERED JAPAN
     3.3 北海道
     3.4 岩手県
     3.5 岐阜県
     3.6 奈良県
     3.7 京都府
     3.8 熊本県

  4.  観光協会とDMOの連携
     4.1 飛騨・高山観光コンベンション協会
     4.2 海の京都DMO

  5.  DMOの設立や運営に必要なもの
     5.1 法人登録と申請プロセス
     5.2 経営やマネジメント体制

  6.  DMOが抱える課題と活動推進のために必要なもの
     6.1 DMOの課題
     6.2 観光振興の役割を担う
     6.3 観光に関連するデータの収集と分析
     6.4 地域が目指すコンセプト設計とプロモーション活動

  7.  DMOのプロモーション活動に役立つ「まちあげ」とは
     7.1 観光・地域などのセグメントを活用した広告配信
     7.2 広告の閲覧者が地域に訪れたのかなどアンケート調査が可能

  8.  まとめ


1.DMOとは?海外版と日本版の違いとは



 

観光に関する活動をする代表的な団体として、DMOや観光協会などが挙げられます。


DMOとは「Destination Management Organization」の略で、官民の連携によって、観光地や地域の観光業を支援する組織のことです。


DMOは日本よりも海外で先に主流になりました。欧米を中心に発展してきた「観光地域づくり法人」DMO(Destination Management Organization)は、2007年に世界観光機関によってその枠組みが定義づけられました。


一方、観光協会は、明治時代に文化遺産や景勝・名勝などを保存する目的でつくられた「保勝会」「風致協会」といった団体の名称が少しずつ変わり、今では「観光協会」という名称が定着しました。


観光協会の形態は社団法人や財団法人・任意団体と様々です。観光協会は自治体や宿泊施設等の観光関連の事業者と連携しながら、地域づくりや観光情報の発信源としての役割を担います。 



DMOに対する考え方は海外と日本では多少異なります。ここからは、観光協会との違いについて触れる前に、海外版DMOと日本版DMOの違いを解説します。

 


1.1 海外版DMOとは


海外版のDMOの日本版との一番の違いは、多様で安定した財源を独自で確保している点です。民間組織や株式会社形式で運用しており、積極的にデータを活用し、CEOやプロパー職員を確保しているのが特徴です。


海外版DMOのマネジメントの特徴として、下記7点が挙げられます。


  • ・独自財源の確保
  • ・現状分析調査に基づく戦略的マーケティング
  • ・KPIの設定と、地域の観光経済の見える化
  • ・地域DMOのプラットフォームとしての機能強化
  • ・DMO間の連携
  • ・多様なステークホルダー
  • ・確かな評価指標

多様な財源の存在や人事評価などの評価指標が明確なのは、日本版とは異なる特性といえるでしょう。



1.2 日本版DMOとは


日本は少子高齢化にともなう人口減少の課題に直面しています。各自治体は地方創生をキーワードに、人口の流入促進・流出抑止を図る対策をしています。従来、地方創生および地域活性化の活動は、各自治体およびそれぞれの産業が個別におこなってきました。


海外に遅れて日本でも、地域活性化に寄与する観光振興のまとめ役としてDMOが設立されました。日本版DMOの特徴は、意思決定がボトムアップ型でおこなわれる点です。地域の関係者を巻き込みつつ舵取り役を担い、マーケティングなどのデータを活用して観光地域づくりをおこないます。


まず、観光協会の成り立ちと日本版DMOの広がりについてご理解いただいたところで、次章では両者の違いやそれぞれの特徴について解説します。

 


2.DMOと観光協会の違い



ここからはDMOと観光協会の違いや、それぞれの役割をご紹介します。


2.1 DMOの種類と役割


DMOは広域連携DMO・地域連携DMO・地域DMOの3種類に分類されます。それぞれの違いは以下のとおりです。


  • ・広域連携DMO:複数の都道府県に跨る区域が参画する
  • ・地域連携DMO:都道府県単位で複数の市町村が一緒に活動する
  • ・地域DMO:単独市町村で申請し活動する

DMOが観光地域のマーケティングやマネジメントで果たす役割として、大きく以下の4つが挙げられます。


  • ・関係者の合意形成
  • ・データの収集分析・ブランディングの策定およびPDCAサイクルの確立
  • ・交通アクセスや受入環境の整備等の取り組みの推進
  • ・観光関連事業との調整・連携およびプロモーション

DMOは観光地域全体のマネジメントを担うほか、非常時におけるインバウンド等への情報発信等について、自治体や関係者と連携して取り組む必要があります。



2.2 観光協会の役割


観光協会は事業者視点で観光振興の取り組みを推進します。観光協会はそれぞれの自治体ごと、もしくは地区ごとに設立されます。そのため、事業者に不利益になる取り組みを推進することはありません。


一方、DMOは顧客視点に立ち観光振興の活動をおこなうのが特徴です。これは観光振興の取り組みは、観光や旅行を検討している顧客に興味・関心を持ってもらえるかが重要であるという考えに基づいています。


つまり、行動原理が前者は事業者視点で後者は顧客視点という違いがあります。

 


3.日本版DMOの成功事例


日本版DMOで登録されており、観光振興に成功している地域の事例をご紹介します。

 

 

3.1 せとうちDMO


 

「せとうちDMO」は、広島県・兵庫県・岡山県・山口県・香川県・徳島県・愛媛県と7つの県にまたがる広域連携DMOです。外国人観光客を増やすには広域連携が必要だと考えたのがきっかけで、2013年に前身組織が立ち上がり現在に至ります。


海外から日本に訪れる方の多くは、単独の地域にとどまらず様々な場所を周遊観光します。それゆえ、インバウンド誘客には周遊観光も視野にいれた商品開発が必要だと考えて、広域連携による取り組みを開始しました。


海外のマーケティング会社に協力を仰ぎ、海外の旅行会社やメディアへの効果的なアプローチが可能になりました。資金面でのサポートには、それぞれの地域の複数の地方銀行などが参加しています。



3.2 UNDISCOVERED JAPAN


 

「UNDISCOVERED JAPAN」とは、 観光庁の認定を受ける全国13観光圏によるブランド化プロジェクトです。日本の観光ブランド力を高めるために、海外でイベントを開催しています。今まで知られてこなかった日本の周遊ツアーや滞在型ツアーを、Webサイトで紹介しています。



3.3 北海道


北海道での地域DMOの事例として、NPO法人「阿寒観光協会まちづくり推進機構」をご紹介します。2005年に設立され、メンバーは宿泊施設や航空会社や旅行会社からの出向者で構成されています。


世界トップクラスの自然に抱かれ、自然と共生文化を体感する「カムイの休日」をコンセプトに欧米・東南アジアや国内の富裕層に向けたプロモーションを展開しています。


また、財源を確保するために入湯税を150円から250円に増額する働きかけをおこないました。引き上げられた100円で基金を創設し、案内板・通信環境の整備や循環バスの運行などの観光振興に役立てられています。



3.4 岩手県


 

岩手県での地域DMOの事例として、「株式会社かまいしDMC」をご紹介します。かまいしDMCの事業は旅行マーケティング事業・地域商社事業・地域創生事業の3つです。


釜石市は、地域に誇りや自負心を持って地域づくりをおこなう活動人口と、釜石に興味を持つ地域外の関係人口の増加を目標にしています。活動人口や関係人口を増やすために造成されたのが体験プログラム「Meetup Kamaishi」です。2023年現在では23のプログラムが提供されています(※1)。


また、釜石市は観光振興の起点である宿泊キャパシティが少ないのが課題です。その代わりに、地域にあるものを積極的に地域外に販売し、稼げる地域づくりを進めています。


※1)かまいし情報ポータルサイト Meetup Kamaishi2023 



3.5 岐阜県


 

岐阜県の事例として、「下呂温泉観光協会」をご紹介します。下呂温泉は宿泊施設における宿泊調査を長年にわたり実施。そのデータを基に宿泊客の動向把握や宿泊客誘致のための戦略立案をおこない、下呂温泉への来訪者数を安定させてきました。地域経済への効果と同時に、全国屈指の人気温泉地としての地位を確立しています。


下呂市では、DMOとエコツーリズムを合わせた「E‐DMO」を推進しています。また、データ分析に基づいた検証可能なプロモーション戦略により、滞在時間の延長・顧客満足度の向上・旅行消費額の増加などを実現しました。



3.6 奈良県


奈良県の事例として、「奈良県ビジターズビューロー」をご紹介します。


奈良県の課題は日帰り観光客が多く、観光消費額が少ない点です。また、観光資源はあるものの観光客の誘客が進んでいない地域が多く、認知度拡大が急務です。観光サイトの「なら旅ネット」はアクセス数は多いものの、観光誘客への結びつきの弱さが懸念されています。


DMOの取り組みとして、奈良県観光公式サイト「なら旅ネット」に商品在庫管理システム(TXJ)を導入。これによってサイト上で宿泊や飲食・物販・体験コンテンツ等の検索・予約が可能になりました。購買データの分析などもおこない、地域のデジタルマーケティングを推進して集客力の向上につなげています。



3.7 京都府


京都府の事例としてご紹介するのは、重点支援DMOに選ばれた「お茶の京都DMO」です。

 

お茶の京都DMOは、日本茶のふるさと「お茶の京都」をテーマに掲げ、観光地域づくりに取り組んでいます。特産品の宇治茶のプレミアムブランド化と幅広いプロモーション展開を推進し、地域の稼ぐ力を創出しています。


さらに、DMOとしてお茶・抹茶スイーツを楽しんだり、和装でまちを巡ったりするような地域資源・コンテンツを活かした観光需要の掘り起こしを推進しています。


加えて、海外プロモーションを強化すべくJNTO(日本政府観光局)の賛助団体に加入。インバウンド誘致に向けて、地域を紹介する記事や動画をJNTOのWebサイトから発信しています。



3.8 熊本県


熊本県の事例としてご紹介するのは、「地域連携DMO(公財)阿蘇地域振興デザインセンター」です。阿蘇地域の市町村と連携し、地域振興・観光振興・環境や景観の保全および情報発信に取り組むために設立されました。


熊本県阿蘇地域の観光における課題は、以下の2点です。


  • ・体験プログラム等の着地型コンテンツの周知不足
  • ・欧米豪インバウンドの伸び悩み

この2つの課題を解決すべく、DMOとして以下のような取り組みをおこなっています。


  • ・コンテンツの磨き上げ
  • ・海外商談会への参加
  • ・英語版のツーリストマップの制作

加えて、欧米豪からのインバウンドの誘客促進のために、コーディネーターとの直接商談や情報発信を強化しています。

 


4.観光協会とDMOの連携

 

 

観光協会は、自治体等からの補助金ならびに会員費・事業収入などで運営する公益機関といえます。主に観光資源の整備・活用やキャンペーン事業などを推進します。


一方、DMOは自治体などの公的機関だけでなく、官民一体となって活動をおこなう法人です。


観光協会とDMOがお互いを補完し合うことによって、効果的な観光プロモーションが可能になります。

 


4.1 飛騨・高山観光コンベンション協会


 

「飛騨・高山観光コンベンション協会」は、行政・民間事業者が一体となって体制を構築しているのが特徴です。その中には、高山市内10箇所の観光協会で組織される高山市観光連絡協議会も含まれます。飛騨・高山観光コンベンション協会は、高山市の各観光協会の中心組織として広域連携を図る仕組みです。



4.2 海の京都DMO


京都府の北部にある「海の京都DMO」は、複数の観光協会が自治体を越えて統合参加した全国初の取り組みです。


観光業が盛んな京都府において、観光消費や宿泊者が京都市内に偏っているのが課題です。加えて、インバウンドが急増している中で、受け入れ態勢が整っていない現状もあります。


そのため、京都各市町村の観光協会が合意形成をおこない、協同で観光プロモーションを推進してきました。京都駅からの直通高速バスの実証実験など、様々な取り組みをおこなっています。

 


5.DMOの設立や運営に必要なもの


ここからはDMOの設立や運営に必要なものについて解説します。

 

 

5.1 法人登録と申請プロセス


DMOとして法人を登録する手続きは、候補DMOとしての登録を経て正式な法人として登録する2段階方式です。


候補DMOに登録するには、まず、観光地域づくり法人形成・確立計画を作成しなければなりません。作成した計画書は地方公共団体との連名で観光庁に提出します。観光地域づくり法人形成・確立計画は、観光庁のWebページでの公表が義務付けられています。


さらに、最低年1回は取り組みに関する自己評価を実施し、その結果をまとめた報告書の提出が必要です。



5.2 経営やマネジメント体制


DMOを自律的・継続的に運営するには、経営・マネジメント体制が整っていなければなりません。法人として登録するため、意思決定の仕組みの構築と専門人材が必要になるでしょう。


また、観光地域づくりを推進するDMOには、地域の稼ぐ力の手助けが求められます。しかしながら、関連団体との役割分担の不明確さやマーケティング人材の不足などの問題点が指摘されています。


その結果、観光地域づくり法人(DMO)の登録制度に関するガイドラインの改正がおこなわれました。登録要件が厳格化され、登録更新と取消の制度が導入されています。

 


6.DMOが抱える課題と活動推進のために必要なもの



DMOは活動する目的や運用形態により様々な課題を抱えています。ここからは、DMOの課題と活動するために必要なものについて解説します。

 


6.1 DMOの課題


DMOが抱える一番の課題は、財源の安定的な確保です。観光協会の財源は補助金や会費などで賄われますが、DMOは一般社団法人という扱いなので、自力で稼ぐ必要があります。そのほか、専門人材の確保・事業実施に対する事業者や地域内の協力などが課題として挙げられます。



6.2 観光振興の役割を担う


DMOの役割として、行政ならびに宿泊・飲食などの関連事業の関係者と調整・協力し、地域全体での観光振興が求められます。


すなわち、観光地域づくりには官民や各産業間・地域間との持続可能な連携が不可欠です。それにはまず、関連事業者との合意形成の仕組みの構築が必要です。



6.3 観光に関連するデータの収集と分析


DMOの活動で欠かせないのは、自地域に点在する宿泊施設の宿泊客データや観光客のニーズ等のデータ収集と分析です。分析結果に基づき、地域のファンと関係人口を増やす施策を策定・実行しましょう。



6.4 地域が目指すコンセプト設計とプロモーション活動


地域の活性化には、地域が目指すコンセプトの設計も重要です。ターゲットのニーズを知り、他地域との差別化が図れるコンセプトの設計が求められます。設計したコンセプトを基に、効果的なプロモーション活動をおこないましょう。

 


7.DMOのプロモーション活動に役立つ「まちあげ」とは



 

「まちあげ」は、観光振興のプロモーションに適した広告配信プラットフォームです。「まちあげ」がDMOのプロモーション活動に役立つ理由を解説します。

 

 

7.1 観光・地域などのセグメントを活用した広告配信


「まちあげ」では、観光や地域などのセグメントを活用した広告配信が可能です。例えば観光であれば属性や旅行目的によるセグメンテーションをおこない、ターゲットを絞ることができます。広告を閲覧するユーザーは、自治体の取り組みに興味や関心を持ちそうな方のみなので、高い費用対効果が期待できます。

 

7.2 広告の閲覧者が地域に訪れたのかなどアンケート調査が可能


「まちあげ」では、広告を閲覧したユーザーが、実際どのくらい地域に来訪したかをデータで確認できます。また、オプション機能のアンケート調査を活用すると、広告によって地域への興味関心が高まったかなど、より詳細なデータを得られます。これらの可視化したデータは、今後の観光プロモーションに役立ちます。

 

 

8.まとめ

 

少子高齢化による人口減少が進む中、都心部に人口が集中して地方では過疎化が進んでいます。それぞれの地域が観光資源を活用しプロモーションをおこなうだけでなく、自ら稼ぐ力を持つ必要があります。


DMOには顧客視点に立って、自治体など関連事業者と連携した観光振興や観光プロモーションが求められます。


本記事では、日本版DMOの成功事例や観光協会とDMOの連携事例をご紹介しました。さらに、DMOの設立・運営に必要なものやDMOの課題について詳しく解説しました。


複数の観光協会がまとまり地域連携DMOを運用するなど、DMOの活動は今後も広がっていくと予想されます。DMOとしての観光振興およびプロモーションには、観光や地域のセグメントを活用できる広告配信プラットフォーム「まちあげ」が効果的です。


今後、DMOで観光プロモ―ションの強化を目指すご担当者は、「まちあげ」の活用をぜひご検討ください。