少子高齢化や新型コロナウイルスの影響で、各自治体は人口減少という大きな課題を抱えています。
各自治体はシティプロモーションに向けて様々な工夫を行っていますが、定量的な効果の可視化や分析を行い、成果に繋げている自治体様は少ないのではないでしょうか。
そこで、データを活用した事前分析から広告配信、分析レポートまでサポートするマーケティングプロダクト「まちあげ」を活用した、訴求別の事例をご紹介します。
デジタル広告施策の推進方法や考え方もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
▼こんな方におすすめです
・自治体広告を打ちたいが、適切な広告媒体が分からない方
・自治体広告を始めようとしているが、どうやって施策立てをしたらいいか不安な方
・Web広告の知識をこれから情報収集しようとしている方
・自治体職員の方、及び観光協会の方
まちあげの事例を紹介する前に、一体「まちあげ」とは何なのかを詳しく解説します。
「まちあげ」は、自治体に特化したディスプレイ広告の運用を最適化するツールです。
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ内で表示される画像や動画の広告を表しており、インターネット上の看板とも言われています。
ユーザーのライフイベントに関連する「移住・旅行・ふるさと納税・帰省」などの需要に対し、誘致等のプロモーションを実施する自治体のニーズや課題に合わせ、見込みの高いターゲット層にアプローチすることが可能です。
そのため、届けたい人に地域の魅力を効果的にプロモーションができるサービスになっています。
広告配信サービス「まちあげ」には、主に3つの特徴があります。
特徴① プロモーションの戦略立案から広告配信終了後まで支援
いざ広告を配信しよう!となっても、「どんな人にプロモーションを展開すべきか、ターゲットが分からない…」「広告の知識がないけど、何をどうやって運用すればいいのだろう…」「どのくらいの人に広告が届くのか?」など、配信前の悩みは尽きません。
マイクロアドでは、経験豊富なアカウントプランナーが、自治体のデジタルマーケティングの課題に対して、ターゲティングや広告を活用した解決策を一緒に導き出し、配信開始までの準備から広告運用サポートもご支援いたします。
また、予算とターゲットを踏まえてどのくらいの人に広告が見られるのか?というシミュレーションも広告配信前にご活用いただくことで、イメージをより具体化することが可能です。
特徴② ターゲティングの精度
マイクロアドはデータの保有量に強みを持った会社です。
自社で保有するデータはもちろんのこと、連携している200以上のパートナー企業から提供を受けているデータから、Web上での興味関心ユーザーを分析し、広告配信に役立てます。
例えば、「結婚・出産」「子育て」などのライフイベントに興味関心がある層にターゲットを絞って、移住を訴求する広告配信が可能です。
▼ターゲティング例
特徴③ 多様な広告配信レポート
定量的な効果測定の分析結果を、レポートで可視化して、次のプロモーションに繋げます。
数値レポートはもちろんのこと、「広告を見た人が指定地域に訪れたか」、「その地域に対してどのようなイメージを持ったか」などアンケート調査も実施することが可能です。
「まちあげ」は、自治体のプロモーションをデータをもとに支援するサービスです。
そのため、直近国全体で推進されている「EBPMに基づく施策※」の実行に繋がります。
※EBPM:(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング/エビデンスに基づく政策立案)
ここからは、訴求別に「まちあげ」を活用した広告配信の事例を紹介します。
まず、観光客増加や地域の認知をはかるプロモーションの事例です。
自治体の魅力を最大限に引き出し観光客を増やすことは、地域の活性化や産業振興につながるとともに、地域住民にとっても大きなメリットがあります。
■事例① 女子旅のプロモーション
<実施の背景>
女子旅のプロモーションにおいて、何に興味のある方に広告を配信しようか悩んでいた際に、「女子旅行に行く人はどんな人か」を考えて、恋愛や結婚、美意識の高さや自己投資をする方など、女子旅の親和性の高いユーザーにターゲティングして広告を配信しました。
<ターゲティング>
・女性向けWebメディア閲覧ユーザー
・旅行メディア閲覧ユーザー
・結婚メディアユーザー
<結果>
目標クリック単価である40円に対して、23円で配信することができました。
クリック単価とは、1クリックあたりに広告でユーザーをサイトに流入させる価格です。
別名CPC(Cost Per Click:クリックあたりの消化金額)と呼ばれます。
ディスプレイ広告でクリック課金を採用した場合、1回のクリックあたりの費用相場はだいたい50円から100円ほどです。
『まちあげ』では、コストを抑えて興味関心のある方に広告を配信することが可能です。
■事例② 観光クーポンのプロモーション
<実施の背景>
旅行シーズンが終わり、観光客が減少した季節を狙って隣県の居住者を対象としたプロモーションを実施しました。
観光やふるさと納税では、隣県に住んでいる方へ向けてのプロモーションが多いです。
マイクロアドでは、位置情報を活用して居住者を判定して、Webサイト流入のプロモーションを行います。
<ターゲティング>
・中国地方への旅行検討者
・中国地方の居住者
<結果>
目標クリック単価である30円に対して、19円で配信することができました。
■事例③ 観光PR記事流入促進
<実施の背景>
自県への観光客増加のため、プロモーション記事への流入促進を行いました。
半年を通じて、四季にまつわるクリエイティブ(広告バナー)を活用して広告配信を実施して、どの記事や訴求内容が最も来県に繋がったかを検証しました。
今回は、記事への流入単価(広告のクリック単価)と来県計測の単価を測りました。
来県計測の単価とは、広告をみた人が計算上1人いくらで来県してくださったかを表す金額です。
<ターゲティング>
・東北地方の居住者
<結果>
目標クリック単価である80円に対して、72円で配信することができました。
来県計測単価は170円となり、来県促進に1人あたり170円でプロモーションが行えたという結果を表しています。
次に、移住者の増加をはかるプロモーションです。
移住は引越しや転居などとほぼ同じ意味で使われることもありますが、近年は「望ましいライフスタイル」を求めて移り住むことを指す場合が多いです。
移住を選択する理由としては、主に以下の4つが考えられます。
・転勤、異動が理由での移住
・自然の多い環境を求めた移住
・子育てがきっかけでの移住
・コロナによる働き方の変化で移住
移住促進はまず関係人口を増やすことが肝と言われており、長期的な目線でのプロモーションが必要です。
(自治体の施策としては、移住に関する情報サイトの立ち上げでしたり補助金の支給、子育て支援などが挙げられます。)
■事例① 移住への興味関心のプロモーション
<実施の背景>
「都市部から特定地域に移住して働いて欲しい」という自治体のニーズがあったため、ライフイベントでのターゲティングを活用した就職及び転職のタイミングにある方を絞り広告を配信しました。
<ターゲティング>
・転職関心層
┗Web上で「転職」コンテンツを閲覧した方
・就活関心層
┗Web上で特定の就職メディアを閲覧した方
<結果>
目標クリック単価である100円に対して、86円で配信することができました。
また、広告配信後の分析レポートでは、広告を見た方の居住地やライフスタイルも分析し、次回の施策に活かしています。
広告に限った話ではないですが、ただ広告を配信して終わりでは、次回施策に役立てることができずにずっと同じ施策を繰り返してしまいます。
弊社では分析レポートや配信結果を踏まえて、一緒に振り返りをいたします。
■事例② 子育て支援のプロモーション
<実施の背景>
県内をはじめ、首都圏から20-30代の子育て世代の転入が増加している背景から、周辺環境や都心へのアクセスのよさをより多くの方にアピールしたいという目的で「まちあげ」を活用しました。
<ターゲティング>
・首都圏居住者
・不動産購入検討者
・子育て関心層
┗Web上で特定の子育てメディアを閲覧した方
<結果>
目標クリック単価である30円に対して、12円で配信することができました。
■事例③ ワーケーション促進
<実施の背景>
ワーケーションとは、リゾート地や地方部など、場所にとらわれずに仕事を行うことです。
新型コロナウイルスの影響でリモートワークが普及して、「場所に囚われない新しい働き方」が急速に全国に普及しました。
今回は、ワーケーションをしたい人をターゲットに広告を配信して、移住を促進しました。
<ターゲティング>
・情報通信業に勤めている方
・外資企業に勤めている方
・在宅推奨企業に勤めている方
<結果>
目標クリック単価である40円に対して、18円で配信することができました。
ワーケーションのPRは、地域の魅力を広告バナーや広告から遷移するサイトでいかにアピールできるかが重要です。
移住したあとの具体的な生活のイメージが湧くような良質なコンテンツを発信することで、移住希望者の興味関心を惹くことができるでしょう。
ふるさと納税の寄付金額増加をはかるプロモーション事例です。
ふるさと納税は、地域で埋もれている商品や地域でのプロジェクトをアピールすることができたり、自地域を知ってもらうことで観光客誘致の後押しができたり、スピード感のある財政収入の確保が可能といったメリットがあります。
ふるさと納税は数多くの自治体が実施しているため、寄附をする方から「選ばれる」自治体になる必要があり、プロモーションの工夫が必要です。
■事例① 富裕層へのプロモーション
<実施の背景>
税金への意識がある層や世帯は、ふるさと納税への興味関心が高い方々です。
そのため、富裕層かつエリア指定でターゲットを絞り広告を配信しました。
<ターゲティング>
・ふるさと納税興味関心層×エリア指定
・高級車購入検討層×エリア指定
・特定金融メディアの閲覧者×エリア指定
・年収800万円以上×エリア指定
<結果>
目標クリック単価である45円に対して、30円で配信することができました。
「まちあげ」の広告指標ではクリック単価を指標としていかに認知できたかを可視化しますが、自治体全体では去年より寄付額がどのくらい変わったかを見ることも重要です。
■事例② ふるさと納税の駆け込みキャンペーンの訴求
<実施の背景>
年末の駆け込み需要に合わせて、ふるさと納税と特定の返礼品に興味関心がある方にフルーツの返礼品を訴求したいと要望があり「まちあげ」で広告を配信した事例です。
返礼品軸でターゲットを絞り広告を配信することで、ユーザーの購入インサイトを促したプロモーションです。
※注:返礼品はあくまでもお礼のため、返礼品を強調した過度な広告は広告規制の対象になります。返礼品がメインになってしまうようなPRは避ける必要があります。
<ターゲティング>
・ふるさと納税興味関心層
・フルーツ興味関心車
<結果>
目標クリック単価である30円に対して、18円で配信することができました。
■事例③ ふるさと納税の駆け込みキャンペーンの訴求
<実施の背景>
大手ポータルサイト内での広告は実施しているものの、そのほかでの展開が初めてで、かつ詳細なターゲティングで広告を運用したいというご要望をいただき、1ヶ月間配信した事例です。
「まちあげ」はターゲティングの精度だけではなく配信ネットワークの規模も大きな特徴として挙げられます。
ニュース系はもちろん、ITやエンタメ系など、様々なカテゴリのポータルサイトへの配信ネットワークを保有しており、その数は国内でも最大級の配信数です。
そのため、各自治体が希望されるあらゆる形での広告配信に対応します。
<ターゲティング>
・NISA、預貯金、税金の興味関心層
<結果>
目標クリック単価である50円に対して、38円で配信することができました。
自治体に関する広告の配信ポイントは、『データに基づいた広告施策を行う』ことです。
近年EBPMの取り組みが推進されています。
EBPMとは、Evidence Based Policy Makingの略で、日本語では「証拠に基づく政策立案」と翻訳されています。
平成30年度内閣府取組方針では「政策の企画立案をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで政策効果の測定に重要な関連を持つ情報やデータ(エビデンス)に基づくものとすること」とされています。
弊社の調べによりますと、紙媒体や広報紙を活用したプロモーションを行なっている自治体様は75%いらっしゃいます。多くの方の目に触れられるメリットがある一方で、効果測定ができないというデメリットもあります。
そこで、データや根拠に基づいた効果の出る政策を一気通貫で実行できるデジタルでのプロモーションが近年注目されています。
政策効果に重要なエビデンスに基づき現状を正確に分析することで、効果的な政策が打ち出され、積極的な行政運営・事務事業に繋げることが期待されています。
限られた行政資源では、データを活用したEBPMを推進することが不可欠です。
今回は、自治体向けマーケティングプロダクト『まちあげ』の事例を紹介いたしました。
「まちあげ」は広告の配信結果を分析して、自治体が必要とするデータを提供するマーケティングプロダクトです。
効果的な広告運用をお任せしたいという方は、ぜひ一度活用してみてはいかがでしょうか。
各エリアの実績もございますため、ぜひ覗いてみてください。
▼各エリアの実績はこちら