自治体が目指す地域ブランディングとシティプロモーション
まちあげパン太
まちあげの紹介から、WEBマーケティングに携わる方向けに、Web広告に関わる幅広いコンテンツをお届けします。
日本の多くの地域で人口減少が加速しており、中でも都心部より地方の方が人口減少による影響を大きく受けています。
地方で人口減少が進むと、生活関連のサービスや第3次産業の縮小および撤退が進んでいきます。そして、雇用の減少につながりさらに人口が減少してしまう悪循環に陥ってしまうのです。
そこで自治体は、人口減少を食い止めて活気あるまちづくりをおこなうために、プロモーション活動に力を入れています。
住民のみならず企業や団体に選ばれる地域になるために、地域の魅力を発信していく活動を地道におこなっています。
本記事では、自治体が取り組むプロモーション活動を通じて、地域ブランディングを推進していく方法や課題について紹介します。
記事の最後には、マイクロアドが提供している「まちあげ」についても解説するので、最後までご覧ください。
目次を表示
- 自治体がおこなうプロモーションとは
- シティプロモーションを成功に導くための自治体と民間企業の役割
2.1 自治体の役割
2.2 民間企業の役割
2.3 自治体と民間企業が共同で取り組みできること - 自治体が手がけたシティプロモーションの成功事例
3.1 函館市「イカール星人」
3.2 鳥取県鳥取市「東京の吉祥寺に広告を展開」
3.3 京都バーチャル空間「京都館PLUS X」
3.4 大分県「メタバース&Web3で地方創生」 - シティプロモーションの課題点とは
4.1 人口減少のよる財源減少により予算確保が難しい
4.2 プロモーション活動に従事する人数が足りない
5.3 地域に住んでいる方に対する案内が行き届かない - 地方自治体に特化したマーケティングプロダクト「まちあげ」とは
- まとめ
自治体がプロモーションをおこなうのは地域を活性化するためです。
自治体が地域の活性化をめざしておこなう活動は、シティプロモーションとも呼ばれています。
シティプロモーションでおこなうのは、各地域の魅力を伝えるための広報・営業・誘致活動です。具体的な内容をいくつか挙げてみましょう。
- ・観光用パンフレットを配布
- ・Webサイトの制作
- ・SNSを活用した情報発信
- ・イベントの開催
- ・市内の観光名所などの整備
- ・シティマップを作成
- ・地元の名産・特産品のPR
- ・市内の道の駅・飲食店・宿泊施設などのPR
自治体はプロモーション活動を通じて、地域ブランディングの強化に努めます。地域全体の魅力を再発見し、地域を発展させるためにはプロモーションは重要な役割を果たします。
シティプロモーションは自治体が中心となっておこないますが、民間企業と連携することも求められます。シティプロモーションの活動における自治体と民間企業の役割を説明します。
2.1 自治体の役割
シティプロモーションは企業がおこなうプロモーションとは異なります。ブランディングを強化したい目的は多岐に渡りますが、概ね以下のとおりです。
- ・産業・観光振興
- ・移住・定住促進
- ・地元に新たな企業を誘致
- ・住民の満足度を高めて地域に愛着をもってもらう
自治体がおこなう地域ブランディングは、地域全体の魅力をアピールし、最終的には産業や観光の振興と人口減少を食い止める移住や定住の促進が目的です。
まず、地域の景観や商業施設・ランドマーク・建造物・地域産品・歴史・キャラクターやロゴなどを積極的にPRしていきます。
地域ブランディングを強化するためのプロモーション実行にするにあたって、自治体が果たす役割は以下のとおりです。
- ・地域ブランディングの戦略立案
- ・プロジェクト実行チームの立ち上げ
- ・プロジェクトメンバーを集める
政府が推奨しているシティプロモーションに関する補助金制度もあるため、目的やチーム作りは自治体が果たす役割といえます。
2.2 民間企業の役割
シティプロモーションで民間企業が果たす役割としては、地域の魅力をアピールできるような商品企画の提案が挙げられます。ほかにも、ターゲットのニーズを理解した効果的なプロモーションをおこなうことも挙げられるでしょう。民間企業がノウハウを活用してシティプロモーションとして果たす役割は、次の3点が考えられます。
- ・ターゲットとするユーザー像を設定する
- ・ターゲットの課題を洗い出す
- ・地域の「資産」をもとに施策を考える
特にWebを通じてプロモーション活動をおこなう際は、自社商品の販売を強化するためのノウハウを持っている民間企業の方が成果が得られやすいでしょう。
2.3 自治体と民間企業が共同で取り組みできること
シティプロモーションは自治体と民間企業が共同で取り組むと、より効果が高まります。
ここでは、自治体と民間企業が共同で取り組んでできることをご紹介します。
まず、プロモーション活動をおこなうための実行チーム作りです。実行チームを作る時点で、自治体と民間企業から人を集めて立ち上げるとよいでしょう。
ターゲットとするユーザー像を設定や課題を洗い出すのは、マーケティングに知見を持っている民間企業に依頼したほうが効率的です。地域の「資産」を元に施策を考えて、ターゲットの課題を解決に導くには、自治体と民間企業が共同で取り組むとよいでしょう。
自治体が手がけてきたシティプロモーションは多数ありますが、その中で成功している事例を紹介します。各自治体ごとに様々な取り組みをおこなっており、地域の特色を生かした内容になっています。
3.1 函館市「イカール星人」
北海道の函館市は海沿いにあり、西洋の建物のあるおしゃれな街並みが魅力です。食や歴史と観光名所など様々な魅力がある観光業の盛んな地域ですが、年々観光客が減少しているのが課題でした。
そこで、観光客を増やすこととブランディング強化のために、2008年にPR動画の作成を公募しました。その結果、北海道の名産物のイカをモチーフとしたユニークな動画「イカール星人」が誕生したのです。
PR動画以外にもTシャツや雑貨などのグッズも販売し、観光客に対するアピールにも活用しています。東京や大阪など都心部でおこなわれるイベントにも参加してPR活動をおこなった結果、2009年に「最も魅力のある市」で1位を獲得する結果につながりました。
PR動画で地域の名産品を活用したキャラクターを作り、プロモーション活動を広げたことで得られた成功事例といえるでしょう。
3.2 鳥取県鳥取市「東京の吉祥寺に広告を展開」
「住んでみたい田舎ランキング」でNo.1を2回も獲得している鳥取県鳥取市は、住んでみたい田舎町として注目されています。
鳥取市の知名度が向上するきっかけになったのは、鳥取市が「住んでみたい街ランキング」の1位に何度も選ばれている吉祥寺に展開した広告です。
東京都心部の吉祥寺に対して、「待機児童ゼロなので、待機ストレスもゼロ。」「船通勤の私は、電車通勤、憧れます」など様々な広告を展開しました。吉祥寺で広告を見た方は、鳥取市のことを詳しく知り、田舎暮らしに憧れる方も増えたのではないでしょうか。
引用:鳥取県鳥取市プレスリリース「3年目を迎える「すごい!鳥取市ワーホリ!」 presents すごい!鳥取市 ワーホリ!麒麟のまち拡大版お試し体験ツアー受付開始&告知ポスター掲載開始」
3.3 京都バーチャル空間「京都館PLUS X」
京都館は、京都の楽しみ方を提案している京都市の公式サイトです。2022年3月17日より渋谷区にある宮下公園をモチーフにしたバーチャル空間内に、「京都館PLUS X」をオープンしました。
「京都館PLUS X」は京都にいなくても、京都の伝統工芸や観光地の様々な体験や人と交流ができるバーチャル空間(メタバース)です。過去には、渋谷区の子どもたちとの交流イベントなども開催されました。京都市・渋谷区・民間企業の大日本印刷株式会社(DNP)と官民が一体となったシティプロモーションの成功事例といえるでしょう。
3.4 大分県「メタバース&Web3で地方創生」
人口減少を食い止めるための方法として、これから発展すると考えられるメタバースやWeb3の事業を展開しているのが大分県です。
地域の商店街と協力し、商店街をメタバースで再現し、郷土料理や大分の文化をメタバース空間内で共有し交流する試みを実施しています。
メタバース空間内で企業がブースを展示できるなど、会場を確保しなくてもイベントが開催できるようになるので、シティプロモーションの可能性がますます広がります。
シティプロモーションをおこなっている自治体は多数ありますが、成功している自治体と失敗している自治体に分かれています。シティプロモーションを成功させたいけれど、なかなかうまくいかないなど課題を感じている自治体職員の方も多いのではないでしょうか。
ここからはシティプロモーションの課題点について説明します。
4.1 人口減少のよる財源減少により予算確保が難しい
一つ目の課題は、予算確保が難しいことです。シティプロモーション活動をおこなうには、内容に応じて予算を確保しなければなりません。
プロモーション費用は100万円未満から5,000万円ぐらいまでと、自治体により大きく異なります。プロモーション費用の大小にかかわらうず、プロモーション活動をおこなっていく中での課題点として挙げられるのは「財源不足」が最も多い結果となっています。
参照:月刊事業構想 編集部 「シティプロモーションに関する自治体の予算及び自治体担当者が感じている課題」
4.2 プロモーション活動に従事する人数が足りない
二つ目の課題は、プロモーション活動に従事する人数が足りないことです。シティプロモーションをおこなうには他部局との連携や、様々な民間企業や関連部署との連携が必要です。
また、プロモーション活動に従事する担当者のスキル不足も課題として挙げられます。イベントの開催にも対応しなければならないため、慢性的な人員不足が課題です。
5.3 地域に住んでいる方に対する案内が行き届かない
シティプロモーションは、地域外に向けてブランディングを強化したり、移住や定住や関係人口を増やすためにおこないます。そのため地域外にばかり視点が向いてしまい、地域に住んでいる方に対する案内が行き届かない課題もあります。
シティプロモーションを成功させるには、地域住民の参加型イベントを企画するなど、地域に住んでいる方にも魅力を感じてもらえるような施策をおこなう必要があるでしょう。
「まちあげ」は、地方自治体に特化したマーケティングプロダクトで、「広告でまちの魅力を伝えよう」をコンセプトにしています。それぞれの地方の魅力を、広告を通じて全国に広げていくサービスです。
移住者やお盆に旅行・観光をする方、ふるさと納税を利用している方、年末年始に帰省する方など、様々なターゲットに向けて広告の配信をおこないます。地方自治体にとっては効果的なプロモーション活動をおこなえるサービスです。
地方自治体がおこなうプロモーションはシティプロモーションと呼ばれており、それぞれの自治体が課題感を持ちながら取り組んでいます。財源不足や人手不足で結果が伴わず、課題感のある自治体も多いでしょう。
「まちあげ」は「UNIVERSE」が持っている多種多様なデータを活用し、地方自治体に親和性の高いユーザーにターゲットを絞って広告配信できるサービスです。
地方自治体のシティプロモーションを効率よく実施するために、「まちあげ」の導入をぜひ検討してください。