地域課題解決のカギ!WebPRの必要性と自治体の取り組み
まちあげパン太
まちあげの紹介から、WEBマーケティングに携わる方向けに、Web広告に関わる幅広いコンテンツをお届けします。
地方自治体は人口減少や地域経済の縮小など、様々な課題に直面しています。山積する多くの課題に取り組み解決していくのは容易なことではありません。
「地域の活性化や課題解決に取り組みたいけど、何から始めたらいいのかわからない」
そのような悩みを解消するカギを握るのが、WebPRの実践です。
この記事では、地域課題に対するWebPRのアプローチ例や成功事例を紹介し、地域活性化につながるWebPRのステップを解説します。自治体の広報や企画に携わる方にとって役立つ情報が満載です。ぜひ最後までお読みください。
目次を表示
- 地域の抱える課題とは
1.1 人口減少と高齢化がもたらす影響
1.2 課題解消に向けた取り組み - 地域課題の解決に向けたWebPRの役割
2.1 WebPRが地域課題解決に貢献する理由
2.1.1 コロナ禍による観光業の停滞への対応
2.1.2 リモートワークによる地方移住やワーケーションの普及
2.1.3 SNSを活用した地域活性化
2.1.4 情報発信の多様化と効果的なターゲットへのアプローチ
2.1.5 ステークホルダー同士をつなぐ役割
2.2 地域課題に対するWebPRのアプローチ例 - 地域課題解決に向けた取り組み|具体的なWebPRの手法と事例
3.1 公式Webサイトのリニューアルやアプリ開発
3.1.1 神奈川県横浜市|乱立する区のサイト管理を市の広報課に一元化
3.1.2 北海道上ノ国町|アプリの活用で子育て支援と情報発信
3.2 SNSを活用した情報発信とコミュニケーション
3.2.1 徳島県|TikTokを活用し地域の魅力を発信
3.2.2 滋賀県|公式LINEアカウントで地域の情報発信
3.3 紙広告媒体のデジタル化や動画コンテンツを活用した観光・移住情報の発信
3.3.1 山梨県上野原市|広報誌のデジタル化
3.3.2 神奈川県葉山町|Instagramを活用した集客
3.4 地域資源を活用したオンラインイベントや体験企画の紹介
3.4.1 埼玉県|ポータルサイトでグリーン・ツーリズムの体験をPR
3.4.2 鳥取県|星空を観光資源に活かしVR動画でPR - 自治体がWebPR活動を始めるためのステップ
4.1 目標設定と戦略立案
4.2 予算や人材の確保と活用方法の検討
4.3 実施するWebPR手法の選定
4.4 効果測定と改善 - 「まちあげ」を活用した地域課題解決のサポート
5.1 「まちあげ」の概要
5.2 地域課題の解決に「まちあげ」が効果を発揮する理由 - まとめ
令和5年度、総務省が積極的に取り組む施策として「地域課題の解決を通じた持続可能な地域社会の実現」を掲げています。
引用:総務省重点施策2023
地域が抱える課題としては、防災・防犯や、子育て支援・教育・福祉・環境対策・都市基盤整備など様々な分野が挙げられます。中でも重要な課題は、東京への一極集中や地方の疲弊にともなう人口減少と高齢化です。
これらの地域の課題がもたらす影響と課題解消に向けた取り組みについて解説します。
1.1 人口減少と高齢化がもたらす影響
人口減少と高齢化という大きな課題が地域にもたらす影響には、次のようなものが挙げられます。
生活関連サービスの低下 |
小売店・飲食店・娯楽施設や医療機関などのサービスが縮小し、地域住民の生活利便性が低下します。 |
行政サービスの質の低下 |
税収減により、教育や福祉などの行政サービスが維持困難となり、サービス水準が低下します。 |
地域公共交通の撤退・縮小 |
人口減少による利用者数の減少にともない、バスや鉄道などの公共交通が撤退や縮小を余儀なくされ、移動手段が限定されます。 |
空き家・空き店舗の増加 |
人口減少により住宅や商業施設の需要が減り、空き家や空き店舗が増加し、景観の悪化や治安の低下につながります。 |
地域コミュニティの機能低下 |
人口減少や高齢化により地域のコミュニケーションが希薄化し、地域コミュニティの機能が低下することで孤立や孤独感が増す恐れがあります。 |
地域の活力を維持・回復するためには、これらの課題に対する取り組みが急務となっています。
※参考:国土交通省『第2節 人口減少が地方のまち・生活に与える影響』
1.2 課題解消に向けた取り組み
人口減少や高齢化が地域にもたらす影響や課題を解消するべく、自治体や企業は、若者の雇用・非正規労働者の待遇改善・子育て支援・移住支援などに取り組んでいます。
例えば、労働人口不足への対策として、サテライトオフィスの設置・テレワークの推進・ICTオフィスビル建設などが挙げられます。
一方、このような具体的なアプローチだけでなく、地域の魅力や取り組みを広くPRすることも大切です。地域の子育てや住みやすさの魅力を効果的に発信し、自治体が抱える課題解決を目指す動きが、各自治体で見られています。
インターネットが日常生活に欠かせない存在となった現代において、地域の魅力や取り組みを広く伝えるにはWebメディアによるPRが欠かせません。
それゆえ、地域が抱える課題の解決に向けて、WebPRが自治体の情報発信やブランディング、認知度向上の手段として大きな役割を担っているといえるでしょう。
2.1 WebPRが地域課題解決に貢献する理由
WebPRはいったいどのように地域の課題解決に貢献するのでしょうか?具体的には、WebPRが地域課題解決に貢献する理由として以下のような点が挙げられます。
2.1.1 コロナ禍による観光業の停滞への対応
コロナ禍において観光業は打撃を受け、地域経済は大きな停滞を経験しました。
その中で、自治体はWebを活用したPRにより、場所に縛られることなく広く地域の魅力を伝えることで、外国人旅行客や若者を含む観光客を呼び込む役割を果たします。
2.1.2 リモートワークによる地方移住やワーケーションの普及
リモートワークの普及により、多くの方が自然豊かな地方への移住やワーケーションを検討しています。
社会人男女を対象にしたJob総研による『2023年 地方移住の意識調査』では、全体の44.7%が「今後移住を検討する可能性がある」と回答しました。この結果を踏まえると今後も、地方への移住者が増加していくと予想されます。
自治体はWebPRを活用して、地域の魅力や移住支援制度を発信することで、移住検討者への訴求が可能です。
2.1.3 SNSを活用した地域活性化
多くのスマホユーザーがSNSやニュースコンテンツから情報を得ています。
それゆえ、SNSを活用して地域の観光地や郷土料理、移住情報などの魅力を発信することで、自治体は自らの地域に目を向けてもらい地域活性化につなげることができます。
2.1.4 情報発信の多様化と効果的なターゲットへのアプローチ
WebPRを通じて、自治体は地域住民に広く正しい情報を伝えるとともに、地域外の方々にも地域の魅力を伝えることができます。これにより、観光客や移住者の増加、企業誘致の成功などが期待できるでしょう。
2.1.5 ステークホルダー同士をつなぐ役割
WebPRは自治体とそのステークホルダー、つまり利害関係者となる地域住民・企業・団体・メディアとの円滑な情報交換やコミュニケーションを促進します。
それゆえ、自治体が効果的なWebPRをおこなうことで、地域におけるステークホルダー同士の連携を強化し、地域全体の活性化につながります。
これらの理由から、自治体にとってWebPRの活用は地域課題の解決に非常に有益だといえるでしょう。
2.2 地域課題に対するWebPRのアプローチ例
人口や観光客の減少などの課題に対する、自治体のWebPRのアプローチ例をいくつか挙げてみましょう。
【観光】
・地域の観光スポットやグルメ情報を紹介するWebサイトやブログを作成
・SNSを活用して、観光スポットの魅力やイベント情報を発信
【移住】
・地域の暮らしや住環境を紹介するWebサイトを作成
・地域の魅力を移住者が発信するブログやSNSアカウントを支援
・オンラインでの移住相談会やWebセミナーを開催
【地域ブランドの確立】
・地域の特産品や伝統文化を紹介するWebサイトを作成
・SNSや動画コンテンツで地域の魅力を多言語で発信
・地元企業や生産者と連携し、オンラインショップやECサイトでの特産品販売を支援
このように、観光・移住・地域ブランドの確立などの訴求に合わせたWebPRが、地域の課題解決に効果を発揮するでしょう。
ここからは、地域の課題解決に向けて、自治体が取り組むべきWebPRの手法を具体的に解説します。
3.1 公式Webサイトのリニューアルやアプリ開発
自治体の公式Webサイトは、観光客や移住希望者に向けた情報発信の基盤となります。しかし、未だデザインやユーザビリティに課題があるWebサイトも多く見られます。移住検討者や観光客に向けた情報発信が十分におこなえていない自治体も多いのが実情です。
自治体は、サイトのリニューアルを通じて、デザインやユーザビリティを改善し、効果的な情報発信の基盤を整えることが重要です。
また、イベント情報や行政からのお知らせを網羅したアプリを開発する自治体も増えています。Webサイトやアプリを活用して、地域の魅力を幅広くPRしましょう。
Webサイトのリニューアルやアプリ開発に関する具体的な自治体の取り組み事例を、以下にご紹介します。
3.1.1 神奈川県横浜市|乱立する区のサイト管理を市の広報課に一元化
神奈川県横浜市は、公式サイトのアクセシビリティを改善し、リニューアルに成功しました。以前は、市のサイト内に45の異なる区や局のサイトが乱立する形で情報が散在していたため、ユーザーにとって情報が探しづらい状況でした。
しかし、市の公式サイトのリニューアルを通じて、広報課にサイト管理を一元化することで情報を分野別に整理することに成功しました。デザインも統一し、スマートフォン対応を実現しています。
3.1.2 北海道上ノ国町|アプリの活用で子育て支援と情報発信
北海道上ノ国町では、子育て支援と情報発信を充実させるためにスマートフォンアプリを活用しています。具体的には「母子健康手帳アプリ」を導入し、子育てに役立つ情報を利用者に届けています。
このアプリの導入により、サービス利用者は予防接種や検診のスケジュールをスマートフォンから簡単に確認することができるようになりました。また、検診記録がグラフで表示されるため、子どもの成長記録もアプリ上で確認できます。
このように、上ノ国町はアプリを導入することで、子育て世代への支援強化と町の魅力向上に取り組んでいます。
3.2 SNSを活用した情報発信とコミュニケーション
SNSを活用することで、地域の魅力を広く伝えることができます。
自治体は、Facebook・Twitter・Instagram・TikTokなどのプラットフォームを使って、観光スポットやイベント・地域の特産品などを発信しましょう。
また、自治体によるLINE公式アカウントの運用も地域の情報発信に効果的です。フォロワーと積極的にコミュニケーションを取って、地域への関心を高めることが重要です。
SNSを活用した情報発信とコミュニケーションに関する具体的な自治体の取り組みを、以下にご紹介します。
3.2.1 徳島県|TikTokを活用し地域の魅力を発信
徳島県では、TikTokを活用して地域の魅力を発信する取り組みを展開しています。
2023年3月に開催された「#徳島ニューノーマル映画祭2023」では、TikTokで縦型短編映画を上映。徳島県とTikTok Japanが共同制作した作品や人気クリエイターの映像作品を通じて、徳島県の魅力を国内外に伝えることに成功しました。
3.2.2 滋賀県|公式LINEアカウントで地域の情報発信
滋賀県は、LINEと連携し、公式アカウントを活用して地域情報を発信しています。
スマートフォンから簡単にアクセスできるLINEを通じて、幅広い層にダイレクトで県政や観光情報の提供が可能になりました。
また、滋賀県は公式のLINEアカウントを活用して利用者に様々なアンケートを実施しています。自治体と住民が相互にコミュニケーションを取り合うことで、住民の声を反映した行政の実現に向けて取り組んでいます。
3.3 紙広告媒体のデジタル化や動画コンテンツを活用した観光・移住情報の発信
紙広告媒体のデジタル化が進む中、より幅広い層に自治体の情報や魅力を届けるべく、デジタルコンテンツ(ブログやYouTubeなど)で情報発信をする自治体が増えています。
例えば、地元の方が紹介する観光スポットやグルメ情報、移住体験談などを発信することで、よりリアルな魅力を伝えられるでしょう。
デジタルコンテンツを効果的に活用し、地域の認知度向上や移住促進につなげていくことが大切です。
紙媒体のデジタル化や、動画コンテンツを活用した地域の魅力発信に関して、具体的な自治体の取り組み事例を以下に紹介します。
3.3.1 山梨県上野原市|広報誌のデジタル化
山梨県上野原市は、自治体の広報誌を多言語対応したデジタルブックにしてWeb上で発信しています。これにより、住民は通勤時間などスキマ時間にスマートフォンから気軽に広報誌を読めるようになりました。
さらに、文字拡大機能やユニバーサルデザイン書体・音声読み上げ機能も導入されており、読者の利便性や快適さの向上に力を入れています。この取り組みでは、市内外の多くの方々に魅力的な自治体をアピールして地域への愛着を深めることを目指しています。
3.3.2 神奈川県葉山町|Instagramを活用した集客
神奈川県葉山町は、町の人口を超える37,000人ものInstagramのフォロワー数を獲得。
ハッシュタグ「#葉山歩き」を設定して投稿をおこない、移住促進を目的とした町の魅力を伝える発信を続けています。
また、アカウントのフォロワーに「フォロー返し」をするほか、葉山町に関する投稿や町内の位置情報がついた投稿には「いいね」を押すなど、コミュニケーションツールとしてInstagramを活用しています。
3.4 地域資源を活用したオンラインイベントや体験企画の紹介
自治体や地域団体は、オンラインイベントや地域の体験企画をWebPRで紹介して、観光客や移住希望者を呼び込みましょう。
まずは、地域外の方々に地域の魅力を体感してもらうことで、興味を持つきっかけを作ることが大切です。例えば、オンラインで開催される祭りやワークショップ・地域の伝統工芸や農業体験などを紹介して、地域に興味を持ってもらうことも効果的です。
また、地域資源を観光事業に活用することで、地域への関心を引き観光促進につながる可能性が高いといえるでしょう。地域資源を活用したオンラインイベントや体験企画に関する具体的な自治体の取り組み事例を、以下に紹介します。
3.4.1 埼玉県|ポータルサイトでグリーン・ツーリズムの体験をPR
埼玉県は、専用ポータルサイト「グリーン・ツーリズム埼玉」を通じて、自然を楽しみながら地域の文化や歴史を体験できるグリーンツーリズムをPRしています。このサイトでは、地域食材の旬の情報や255箇所の観光スポットなどを、体験・食・宿といった分かりやすいカテゴリごとに発信しています。
さらに、観光農園経営者向けの研修をおこなったり、「埼玉県グリーン・ツーリズム推進協議会」を設立したりするなど、農山村の魅力発信と観光客誘致に力を入れています。
3.4.2 鳥取県|星空を観光資源に活かしVR動画でPR
鳥取県は、美しい星空をアピールするため「星取県」を宣言して、観光誘客と地域活性化に取り組んでいます。そんな星空を活用した観光PRの一環として、鳥取砂丘や大山などの美しい星空スポットを紹介するVR動画を作成しました。
このVR動画は、天候が悪く星空が見えない際の代替プログラムとして、観光事業者にも注目されています。
自治体がWebPR活動を始めるためのステップは次の4つです。
- ・目標設定と戦略立案
- ・予算や人材の確保と活用方法の検討
- ・実施するWebPR手法の検討
- ・効果測定と改善
それぞれについて、詳しく解説します。
4.1 目標設定と戦略立案
観光客数・移住者数の増加や、地域の認知度向上など、目指すべき具体的な目標を設定しましょう。
4.2 予算や人材の確保と活用方法の検討
Webサイトの制作費・SNS広告費・動画制作費などの費用を見積もり、地域住民や行政職員、外部の専門家などにWebPRの企画・運営の協力を仰ぐ方法を検討しましょう。
4.3 実施するWebPR手法の選定
自治体のWebPRにおいては、地域の特色や目標に適した手法を選定することも重要です。公式Webサイトのリニューアル、SNS・ブログや動画コンテンツの活用、オンラインイベントや体験企画など、地域の特色や目標に沿ったWebPRの手法を選択しましょう。
4.4 効果測定と改善
WebPRに用いたサイトのアクセス数やSNSのフォロワー数・動画コンテンツの再生回数・ハッシュタグの使用回数などを測定しましょう。
測定結果に基づいて、事前に設定した目標との比較から改善点を洗い出し、次の計画を立てて実行することが必要です。こうしてPDCAサイクルを回して、効果的なWebPRを展開しましょう。
地域の資源や魅力を最大限に引き出し、WebPRに積極的に取り組むことで、地域の課題解決につながることを説明しました。
ここからは自治体のWebPRをサポートする、地方自治体に特化した広告配信プラットフォーム「まちあげ」をご紹介します。
5.1 「まちあげ」の概要
「まちあげ」は、地域の課題解決に役立つ広告配信サービスです。マイクロアドの「UNIVERSE」が保有するWeb上の行動履歴や位置データを利用し、効果的な広告配信が実現できます。さらに、広告配信前後の効果を比較・評価し、その後のプロモーションにも活かすことも可能です。
5.2 地域課題の解決に「まちあげ」が効果を発揮する理由
「まちあげ」を利用することで、その地域に関心の高いユーザーにターゲットを絞った効果的な広告配信をおこなうことができます。
さらに「まちあげ」は、広告配信効果の分析結果についてレポーティングも可能です。今後の観光客や移住者誘致のマーケティング戦略にお役立てください。
また、「まちあげ」を活用すれば、SNSの投稿内容をブログやニュースサイトにも掲載することができます。より多くのユーザーへのアクセスを促すことで、SNSの投稿内容の効果を最大化させることが可能です。
実際に「まちあげ」を利用いただいたある自治体では、移住促進を目的とした広告配信を実施しました。都市部からの移住者を獲得したいというニーズに応え、就職や転職を考えているターゲットに向けて訴求したところ、目標よりも14%低いクリック単価を実現できました。
地域が抱える重要な課題として、人口減少と高齢化が挙げられます。
自治体は課題解決に向けて様々な取り組みをおこなっていますが、中でも地域の魅力や取り組みを広く伝えるためのWebPRは欠かせません。
今回ご紹介したWebPRの具体的な手法と各地域の取り組みも参考にしながら、ぜひ課題解決と地域活性化に向けて取り組んでください。
また、観光誘客や移住希望者の訴求などのシティプロモーションのご担当者は、ターゲットを絞った効果的な広告配信が可能な「まちあげ」の活用をご検討ください。