2023年7月の訪日外国人数【速報】
邱 曉萍
中国広東省出身。中国で深圳大学を卒業後、大学院から日本へ留学し人文社会科学研究科を修了。卒業後は株式会社マイクロアドへ入社し、日本企業の中国プロモーション支援を担当。
日本観光、躍進の兆し!
今年7月の外国人訪日者数が過去最高の232万6000人に達し、新型コロナ前の活況が再現されつつあります。
特にアジア諸国や北米からの訪問者増加が牽引役となり、韓国、フィリピン、カナダなどからの注目度が高まっています。
一方で、中国の制限措置により訪日者数は制約を受けましたが、着実な回復が期待されています。
本記事では、2023年7月のインバウンド最新データを通じて、中国からの訪日客の最新トレンドを紹介いたします。
目次を表示
- 2023年7月の訪日客数
訪日の国・地域のトップ10 - 訪日外国人消費動向調査による消費額の増加
- インバウンド最新情報:中国政府の団体旅行解禁と訪日予約の増加
日本政府観光局(JNTO)は8月16日、2023年7月の訪日外国人数(推計値)が232万600人であると発表しました。
この数字は、新型コロナウイルス感染症の大流行前の2019年同月と比較して、77.6%まで回復しています。なお、中国を除く総数では、2019年同月比で103.4%と、新型コロナウイルス感染症拡大前の実績を上回っています。
訪日の国・地域のトップ10
1.韓国(626,800人)
2.台湾(422,300人)
3.中国(313,300人)
4.米国(198,800人)
5.香港(216,400人)
6.フィリピン(51,700人)
7.タイ(49,600人)
8.ベトナム(44,800人)
9.カナダ(38,800人)
10.オーストラリア(35,600人)
特に、韓国、アメリカ、フィリピン、ベトナム、カナダ、オーストラリアなどの国々は、コロナ禍前の2019年同月比を上回る好調な回復を示しています。中国を除けば、他の国・地域もおおむね(8割~9割)コロナ前の水準に戻ってきています。
2019年には最も多くの訪日客が中国から訪れており、2023年7月には31万300人が訪日しました。これは2019年と比較して29.8%まで徐々に回復の兆しを見せております。
日本政府観光局(JNTO)が7月19日に発表した2023年4-6月期の訪日外国人消費動向調査によると、一人当たりの消費額が大幅に増加しています。2023年4-6月の一人当たりの消費額は20.4万円で、これはコロナ前の水準の約1.32倍に相当します。
円安と海外物価の上昇により、日本の物価が相対的に割安になっていることが増加の理由とされています。
一般客一人当たり費目別旅行支出TOP5は、英国、中国、オーストラリア、フランス、ドイツからの訪日外国人観光客となっており、宿泊費用以外の特に注目すべき点として、中国からの訪日客の買い物代が挙げられます。
コロナ前の2019年は、中国からの訪日客の一人当たりの買い物代は108,788円でしたが、調査対象期間の2023年ではこれが34.9%増加しております。一人当たりの買い物代は146,786円に達しています。中国からの訪日客が他の国々よりも最も多くの買い物を行っていることが分かります。
中国政府は8月10日に日本行きの団体旅行を解禁しました。その結果、中国の各OTA(オンライン旅行代理店)や旅行サイトのデータによると、「日本旅行」商品の人気が急増しました。
・Mafengwoのデータによると、海外旅行先の検索増加率は150%以上、日本を目的地とした検索増加率は350%に達し、目的地ランキングのトップになりました。
・Tongcheng旅行データによれば、プラットフォーム上での日本ビザの問い合わせ量は前日の同時間比で約3倍に上昇しました。
・Fliggyのデータによると、日本のビザ手続き量は2019年と比較しても増加しています。
・Qunarのデータによると夏に入ると日本などの国際線航空券の予約が大幅に増加し、航空運賃も約40%値下げされています。
各大手旅行サイトだけでなく、旅行代理店も日本旅行商品のコンテンツに注力しています。最近では、RED、DOUYIN、WeChat公式アカウントを活用して、日本旅行商品を宣伝するコンテンツが増加しています。今後、国慶節をはじめとする中国人の訪日観光客の増加が期待されます。
参考資料
日本政府観光局(JNTO)訪日外客数(2023年7月推計値)
訪日外国人消費動向調査「2023年4~6月期」※1次速報
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