自治体向け:春のイベントプロモーションの目的・課題・集客方法と成功事例を解説
まちあげパン太
まちあげの紹介から、WEBマーケティングに携わる方向けに、Web広告に関わる幅広いコンテンツをお届けします。
多くの自治体が、地域活性化を目指してイベントを企画・実施しています。しかしながら、イベントを成功に導くには、綿密な企画設計や的確なアプローチが重要です。
本記事では、春のイベント行事の種類と特徴に加えて、自治体が春のイベントプロモーションに取り組む目的と理由・プロモーションにおける課題を解説します。併せて春のイベントの実施方法・成功に導くコツや、情報を拡散して集客する方法・プロモーションの成功事例を解説します。
記事の最後に、イベントプロモーションに役立つ広告配信サービス「まちあげ」をご紹介します。春のイベントプロモーションを成功に導きたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次を表示
- 春に開催されるイベントの種類と特徴
1.1 花や桜に関するもの
1.2 食・グルメに関するもの
1.3 ひな祭り
1.4 卒業・入学・入社 - 春のイベントプロモーションに取り組む目的と理由
2.1 卒業や就職などライフステージの変化
2.2 卒業旅行や春休みなど人の動きが活発
2.3 新規の見込み客獲得につながる - 春のイベントプロモーションにおける課題
3.1 スケジュールを組むのが難しい
3.2 年度替わりのタイミングのため予算確保が難しい
3.3 人員が不足している - 春のイベントプロモーションを成功に導くコツ
4.1 魅力的なコンセプト設計
4.2 ターゲット層への的確なアプローチ
4.3 目的やターゲットに沿ったイベントを計画
4.4 イベントプロデュース専門会社に依頼 - イベントプロモーションの集客・拡散する方法
5.1 SNSを活用
5.2 YouTubeでの動画配信
5.3 Web広告の掲載
5.4 タイアップ企業サイトやメディアでの告知 - 春のイベントプロモーションの成功事例
6.1 青森県「弘前さくらまつり」
6.2 岐阜県「高山祭」
6.3 京都府亀岡市 - イベントプロモーションに役立つ広告配信プラットフォーム「まちあげ」
7.1 イベント参加を促したいユーザーに届けられる
7.2 目的に応じた広告配信が可能 - まとめ
春は入学・卒業、そして桜などの花が咲き草木が芽吹く季節です。また、田植えや種まきなどをおこなう時期でもあります。各自治体では、入学式や花見などイベント開催に力を入れるところも多いでしょう。
ここでは、春に開催されるイベントを4つのカテゴリに分けてご紹介します。
1.1 花や桜に関するもの
春は桜を中心とした花見が盛んな季節です。春の花見は、古くは奈良時代や平安時代に遡ります。貴族が桜を見て唄を詠んだのが始まりで、そのあと庶民にも広がっていきました。
現在のように花見の風習が定着したのは、江戸時代の徳川吉宗によるものです。飛鳥山・隅田川堤・小金井堤などに数千本の桜を植えて庶民のお花見を奨励しました。
来場者数が多く、規模の大きい花見や桜まつりの代表例は以下のとおりです。
- ・千代田のさくらまつり
- ・高遠城址公園さくら祭り
- ・吉野山の桜まつり
桜を中心とした花見は、日本特有の文化・風習といえます。
1.2 食・グルメに関するもの
春が旬の食べ物として挙げられるのは、たけのこ・春キャベツ・菜の花・ふき・ふきのとう・つくし・うど・アスパラガスなどの野菜類が中心です。これらの野菜の収穫体験や、春の果物イチゴをふんだんに使ったフルーツフェアが多く開催されています。
春の食やグルメに関する大規模なイベントとして有名なのは、毎年5月に東京で開催される「Tokyo Tokyo Delicious Museum」です。下町の居酒屋から革新的なレストランまで東京の食が一堂に会します。
1.3 ひな祭り
桃の節句とも呼ばれる3月3日のひな祭りは従来、体の穢れを人形に触れて移す邪気祓いの行事として広がりました。子どもに災いが降りかからないようにと、健康を祈願してひな人形を飾るようになりました。他にも菱餅・ひなあられ・白酒をお供えして魔除けや健康を祈願します。
ひな祭りで有名なのは、埼玉県鴻巣市の「鴻巣のびっくりひな祭り」です。高さ7メートル、31段の日本一高いピラミッドひな壇が飾られます(※1)。
※1)PR TIMES エルミこうのすの人気イベント高さ7メートルの“日本一高いピラミッドひな壇”が登場
1.4 卒業・入学・入社
3月から4月にかけて、卒業式や入学式・入社式が実施されます。式典に参加するための衣服の購入や引っ越しなどの新生活の準備のほか、仲間との思い出作りの旅行など人の動きが多い時期でもあります。
イベントのみならず、卒業祝いや入学祝い・就職祝いのプレゼントや卒業旅行ツアーなどのプロモーション活動が活発な時期です。
春は自治体や企業によって多くのイベントが開催され、集客を図るプロモーション活動がおこなわれています。ここでは、春のイベントプロモーションを積極的におこなう理由と目的を解説します。
2.1 卒業や就職などライフステージの変化
春は卒業や就職などを契機に、新たなライフステージに進む方が多いのが特徴です。大学生活で親元を離れて一人暮らしを始める方や社会人として新天地で生活を始める方も多く、若者の交流人口や関係人口を増やしやすい時期です。
2.2 卒業旅行や春休みなど人の動きが活発
春は学生生活の最後に卒業旅行に出かける方や、春休み期間に家族で観光や旅行に出かける方が多い季節です。
新生活が始まる方やその家族などの人の動きが活発になるので、各自治体では交流人口の増加を見込んだプロモーションをおこなっています。
2.3 新規の見込み客獲得につながる
春は進学や就職にともない、新天地に移り住む方が増えます。したがって、地域への移住者を新規の見込み客としたアプローチが求められます。
年度替わりのタイミングに開催される春のイベントには、他の季節のイベントと異なる特徴があります。本章では、春のイベントプロモーションにおける課題を解説します。
3.1 スケジュールを組むのが難しい
春は移住や旅行などで人の流れが活発になるほか、自治体や一般企業で人事異動がおこなわれる時期です。
年度内にイベントやプロモーションに関する人員配置をしても、部署異動などで引き継ぎの対応に追われる可能性があります。一般企業に協賛を仰ぐ場合も、担当者の異動・交代によって引き継ぎが必要になるなど、本来のイベントプロモーション以外の手間を要するケースも多いでしょう。
さらに、年度末と重なる3月は自治体も民間企業も互いに忙しく、スケジュールを組むのが難しいのが課題といえます。
3.2 年度替わりのタイミングのため予算確保が難しい
自治体や多くの企業の決算期が3月であるため、春のイベントに係る予算や精算は年度をまたぐことになります。
翌年度のイベントに関しては、予算編成の都合でイベントスケジュールやイベント予算の確保・承認に時間がかかる可能性があります。それゆえ、会場や人員の確保に要する予算確保が難しいのも課題といえるでしょう。
3.3 人員が不足している
春は自治体および一般企業の異動や入社の時期です。異動にともなう引き継ぎや、新人社員・新人職員に対する研修などがおこなわれて人員不足に陥りがちです。慢性的な人手不足の状態の自治体も多く、DX化や民間企業との連携が急務です。
ライフステージの変化や年度替わりなど、春のイベントならではの特徴・課題を踏まえたうえで集客を図る必要があります。本章では、春のイベントプロモーションを成功に導く4つのコツについて解説します。
4.1 魅力的なコンセプト設計
イベントを開催して集客を図るには、多くの方に参加したいと思ってもらえるような魅力的なコンセプト設計が重要です。地域住民が参加したり一緒に盛り上げたりしたいと思ってもらえるようなイベントを企画できると、交通規制などの協力も得られやすいでしょう。
4.2 ターゲット層への的確なアプローチ
イベントをおこなう際、参加を促したいターゲットを明確にしましょう。ターゲット層を広く設定してしまうと、プロモーションの効果が得られにくくなります。
例えば、小学校に上がる前のお子様のいるファミリー向けや、高校生や大学生などの若年層向けのイベントなど、ターゲット層への的確なアプローチが必要です。若年層にアプローチするのであればSNS、幼稚園や保育園のお子様がいるファミリーの場合はそれぞれの施設にチラシを配布するなどの方法が考えられます。
4.3 目的やターゲットに沿ったイベントを計画
目的とターゲットをあらかじめ決めてからイベントを計画するのも重要なポイントです。これらが明確になっていると、協賛企業を募りやすくなってタイアップなどの可能性も広がるでしょう。
イベントをおこなう目的として考えられるのは、地域ブランドの形成・地域の活性化や関係人口の増加など様々です。目的が決まると、参加を促したいターゲットも自ずと明確になります。
4.4 イベントプロデュース専門会社に依頼
イベントを実施する際は、会場および人員の手配・確保が不可欠です。加えて、見込み来場者数や経費の算出のほか、シャトルバス等によるアクセス強化や駐車場の確保など入念な計画と準備が求められます。ノウハウに乏しい場合は、新規イベントの開催やプロモーションを手掛けるのは容易ではありません。
イベントプロデュースの専門会社に依頼すると、会場や人員の確保からプロモーションまで予算やスケジュールに応じた提案をしてもらえます。専門業者に依頼するのも一つの方法です。
自治体がイベントを開催する際は、イベントの目的や参加を促したいターゲット層によってプロモーションに適したツールが異なります。今回は、イベントプロモーションで汎用的に使用できるツールを4つご紹介します。
5.1 SNSを活用
イベントプロモーションで欠かせないのは、SNSを活用したプロモーションです。SNSは利用者の興味・関心に沿った投稿内容が表示される仕組みです。
自治体や企業が投稿した内容は、フォロワーの発信や拡散によって直接フォローしていない方にも表示される特徴があります。フォロワーや既存の顧客以外にも興味を惹く情報を発信できれば、自ずと情報は拡散されていくでしょう。
5.2 YouTubeでの動画配信
イベントのプロモーションに動画を使用すると、静止画よりも閲覧数(インプレッション)は高くなる傾向にあります。18歳以上の国内月間ユーザー数が7,000万人にのぼるYouTube(※1)への動画投稿は、効果的なプロモーションになりうるでしょう。
ただし、事前にYouTubeのチャンネル運営をおこなっており、一定の再生数が見込めることが条件です。動画を作成し、投稿しても視聴者が少なければ効果的ではありません。
また、作成した動画はYouTubeのみならず、TikTokやInstagramでもストーリーズやリール動画として展開できます。
※1)Think with Google 日本 2022 年 YouTube トレンドとマーケティング活用へのヒント
5.3 Web広告の掲載
GoogleやYahooなどに表示される広告や、X(旧Twitter)やInstagramのタイムラインに表示されるSNS広告など、Web広告の掲載も検討しましょう。
Web広告のメリットは、ターゲットを絞り込んだ配信が可能で効果測定が容易な点です。広告効果が可視化できるため、費用対効果が高い手法です。イベントへの参加を促したいターゲット層に向けて広告配信をしつつ、SNSの投稿やYouTubeでの動画配信をおこなうと相乗効果が見込めるでしょう。
5.4 タイアップ企業サイトやメディアでの告知
イベントを自治体単独でおこなうのは困難です。地元企業にタイアップを依頼したり協賛を募ったり、あるいは地域住民やボランティアの協力を仰ぐ必要があります。
自治体単独でのプロモーション以外に、協賛企業やタイアップ先企業のWebサイトおよびプレスリリースなどのメディアを活用するのも効果的な手法といえます。
各自治体では、地域資源や季節に応じた様々なイベントを開催し、プロモーション活動をおこなっています。ここでは、春のイベントプロモーションの成功事例を3つご紹介します。
6.1 青森県「弘前さくらまつり」
青森県弘前市は桜の桜の咲く季節になると、各地から桜を見に多くの観光客が訪れます。弘前公園で開催される「弘前さくらまつり」の2023年の来場者数は200万人を超えており、コロナ禍前の水準に戻りつつあります(※2)。
弘前公園のSNSアカウントで情報を発信したり、YouTube動画で毎年のさくらまつりの様子を公開したりと、積極的なプロモーション活動をおこなっています。
※2)弘前商工会議所 会報2023年5月
6.2 岐阜県「高山祭」
高山祭は、岐阜県高山市で春と秋の2回おこなわれる祭りの総称で、日本三大美祭の一つとして知られています。春におこなわれる山王祭は、例年4月14日・15日が開催時期です。街を練り歩く豪華絢爛な屋台と祭行列を目当てに多くの観光客が訪れます。
こちらもSNSを積極的に活用したプロモーションを展開しており、YouTubeで祭りの様子を閲覧できます。
6.3 京都府亀岡市
京都府亀岡市では、2024年4月に『ももクロ春の一大事 〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜』の開催が決定しました。「ももクロ春の一大事」とは、アイドルグループ「ももいろクローバーZ」が地方自治体と一緒にまちおこしを目指すライブイベントです。
2011年にスタートした企画で、2017年からは毎年開催地を募集して地方自治体と協働で実施するイベントにリニューアル。2023年の広島県福山市でのライブは、2日間で2万3千人の来場者数を記録しました(※3)。
過去のライブ開催時には、広報誌や地元メディアなどでのPRや、メンバーによる名所の紹介などのプロモーションが展開されました。そのほか地元の特産品とのコラボグッズの販売やキッチンカー・屋台の出店などをおこなっており、地域振興ならびに地域活性化に多大な貢献が見込めます。
※3)週末ヒロイン ももいろクローバーZ オフィシャルサイト <2024年4月開催決定!>「ももクロ春の一大事2024」一緒に盛り上げてくださる地域の皆様、ぜひお声がけください!
企画したイベントに観光客を呼び込んで成功に導くには、効果的なプロモーションが不可欠です。上述のとおりSNSやYouTubeでの情報発信のほか、ターゲットを絞ったWeb広告も有効なプロモーションツールです。本章では、自治体のWeb広告配信に適したプラットフォーム「まちあげ」をご紹介します。
7.1 イベント参加を促したいユーザーに届けられる
「まちあげ」は、イベント参加を促したいユーザーにターゲットを絞り込んだアプローチができるのがメリットです。Web上の行動履歴や位置情報データを分析して、自治体の各種施策に親和性の高い層に広告配信できます。
7.2 目的に応じた広告配信が可能
広告配信する際、目的に応じた配信内容を設定できるのも「まちあげ」の特徴です。
例えば、イベント専用ページのアクセス数を増やしたい場合は、Webサイトへのバナー配信が可能です。PR動画を多くの方に視聴してもらいたい場合は、動画広告の配信ができます。テレビCMのように視認性高くアプローチしたい場合は、民放公式テレビ配信サービス「TVer」に広告を配信する方法もあります。
そのほか、SNSの投稿をSNS以外に配信して、より多くの方に情報を届けることも可能です。
春は卒業・入学・就職などライフステージの変化が起こる季節です。また、ひな祭り・花見に端午の節句など多くのイベントがおこなわれます。
自治体がイベントを企画して実行する際に、年度替わりのタイミングである春はスケジューリングや予算確保が難しい点が課題です。
一方、春は新天地への移住など人の動きが多いため、新規の見込み客獲得が見込める時期でもあります。春のイベント開催によって交流人口や関係人口を増やすには、積極的なプロモーションが不可欠です。
記事の後半では、イベントプロモーションを成功に導くのに適したWeb広告配信プラットフォーム「まちあげ」の特徴やサービス内容をご紹介しました。これから春のイベントプロモーションを計画している方は、ぜひ参考にしてください。