自治体向け:観光プロモーションにおける補助金活用|メリットや最新事例を解説
まちあげパン太
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地方自治体における観光客誘致には、地域経済の活性化や地元雇用の創出などのメリットがあります。その一方、プロモーションやオーバーツーリズム解消に向けた観光客を受け入れるインフラ整備など、観光振興を推進するには資金調達が不可欠です。
それゆえ、観光振興に取り組む自治体・DMOや事業者は、資金調達の手段として補助金制度の有効活用が求められます。
本記事では、観光プロモーションにおける補助金の仕組みに加えて、メリット・デメリットや2024年に活用できる最新のおすすめ補助金について解説します。記事の後半では、自治体のWebプロモーションを支援する広告配信サービス「まちあげ」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次を表示
- 観光プロモーションにおける補助金とは
- 観光プロモーションで補助金を活用する仕組み
2.1.補助金について調査する
2.2.補助金申請をおこなう
2.3.採択・交付が決定する
2.4.事業を展開する
2.5.補助金が交付される - 観光プロモーションで補助金を活用するメリット
3.1.返済不要で資金調達ができる
3.2.事業計画を整備できる
3.3.事業の社会的価値が高まる - 観光プロモーションで補助金を活用するデメリット
4.1.申請や受給に時間がかかる
4.2.申請しても受給できないケースがある
4.3.立替払いをしなければならない - 【2024年度】観光プロモーションに活用できる補助金5選
5.1.補助金①「地域観光"新発見"事業」
5.2.補助金②「特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業」
5.3.補助金③「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」
5.4.補助金④「インバウンド安全・安心対策推進事業」
5.5.補助金⑤「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」 - 自治体の観光プロモーションを支援するプラットフォーム「まちあげ」とは
- まとめ
補助金とは、国が定める政策目標に沿った事業をおこなう事業者に支給されるお金です。同様に国や自治体から事業者にお金が支給される「助成金」という制度があります。両者の違いをまとめたのが、以下の表です。
要件を満たせば原則受給できる助成金とは異なり、補助金を受給するには審査に合格する必要があります。そのかわり、一般的に補助金は助成金よりも規模が大きく支給額が多い傾向にあります。
自治体・DMOの観光プロモーションでは、「観光コンテンツの充実支援」や「観光DXによる地域経済活性化」などにおいて様々な補助金が活用できます。
観光プロモーションで補助金を活用するにあたり、まずは補助金の仕組みをきちんと理解しなければなりません。
ここでは、自治体が実施する事業に適した補助金を活用する仕組みを補助金の調査から受給まで時系列に沿って解説します。
2.1.補助金について調査する
まず始めに、実施する事業やコンテンツにマッチした補助金について調査します。
各官庁などが、政策ごとにWebサイト上で公募をおこなう補助金に関する情報を発表しています。公募要領や事業説明などから、以下のようなポイントを確認しましょう。
- ・補助金事業の目的
- ・対象事業・応募類型
- ・補助金額・補助割合
- ・支給までの手順・必要書類
- ・申請期間
補助金支給の可否や金額は審査で決定されるため、目的や応募基準などに合致していないと受給対象になりません。実施を検討している事業やコンテンツが当てはまる補助金を選びましょう。なお、申請期間を過ぎると受理されないため注意が必要です。
2.2.補助金申請をおこなう
対象となる補助金が決定したら、補助金申請をおこないます。
申請にあたり、公募要領に沿った申請書類が必要です。補助金によって必要な申請書類は異なりますが、主に以下のような書類を提出します。
- ・応募申請書
- ・事業計画書
- ・事業要請書
- ・経費明細書
公募要領で示された様式に沿って、不備や不足がないように書類を準備します。また、提出方法も電子申請・書面郵送などがあるため事前に確認しましょう。
なお、補助金申請にあたって最も重要なポイントは「事業計画の充実」です。目的・課題・効果・資金計画など、具体的かつわかりやすい内容に練り上げましょう。
2.3.採択・交付が決定する
補助金申請をおこなうと、審査に基づき採択・交付が決定されます。
それぞれの補助金を所管する官庁が審査をおこない、補助金申請が認められると採択通知が発出されます。採択通知には申請可能額が記載されており、当初の申請額から減額されるケースもあるため注意しましょう。
採択されたら、通知された申請可能額の範囲内で改めて交付申請をおこないます。交付申請には以下のような書類が必要です。
- ・交付申請書
- ・再検討した事業計画書
- ・見積書
交付申請が認められると、一般的な契約締結にあたる交付決定となります。
2.4.事業を展開する
交付が決定したら、いよいよ事業を展開していきます。事業展開の際は、以下の点に留意しなければなりません。
- ・交付決定日前の経費は基本的に補助対象外
- ・補助金対象となる領収書や証拠書類は保管する
- ・事業内容を変更する場合は事前に届け出る
補助金によっては、事業の実施状況や必要書類などを確認する「中間検査」が実施される場合があります。交付決定日前の経費や不適切と判断された経費が発見された場合、補助対象外とされるケースもあるため注意が必要です。
なお、万が一事業内容を変更せざるを得ない場合は、事前に計画変更申請をしなければなりません。
2.5.補助金が交付される
事業が終了したら、最終的に補助金が交付されます。
まず始めに、実施した事業について所管官庁への報告が必要です。具体的には、以下のような書類を提出します。
- ・実施報告書
- ・支出内訳書
- ・経費支出管理表
- ・支出を証明する書類(領収証など)
所管官庁による支出の適切性や書類の不備などのチェックがおこなわれ、補助金額が確定します。その後、確定した支給額に基づき請求書を提出して補助金が交付される仕組みです。
なお、補助事業が終了したあとも、補助金の対象となる領収証や各種書類は5年間保存しなければなりません。
自治体やDMOの観光振興・観光プロモーションにおいて補助金を有効活用できれば、観光客の増加につながって地域の活性化が期待できます。本章では、補助金を活用するメリットについて解説します。
3.1.返済不要で資金調達ができる
1つ目のメリットは、返済不要で資金調達ができる点です。
自治体・DMOが事業を実施する際の最大の課題は、予算の確保です。限られた財源の中で、予算を確保するための資金調達の方法の一つとして補助金の活用が有効です。
補助金は一般的な融資とは異なり、金利も発生せず返済の必要がありません。それゆえ、事業にかかる費用を補填できる補助金は、地方自治体やDMOにとって魅力的です。
例えば、観光プロモーションを展開する際に、費用の一部を補助金で補填できれば事業展開や事業拡大が容易になって資金不足も解消されます。また、事業の立ち上げや準備にも活用できるため、新たな取り組みにチャレンジするきっかけにもなりうるでしょう。
3.2.事業計画を整備できる
2つ目のメリットは、事業計画を整備できる点です。
補助金を申請するにあたり、補助金制度の目的や要件に合致した事業計画が求められます。補助金は税金を活用した公的制度であり、国の政策目標に合致しない事業には補助金が交付されません。
したがって、補助金申請を通じて事業計画の目的・効果・資金計画・将来性などが必然的にブラッシュアップされていきます。地域における観光振興の課題を掘り下げることで、精度の高い解決策の立案につながるでしょう。
また、補助金申請では所管官庁による第三者視点からの指摘も貴重です。事業計画の不備や改善点などに気づく機会となりうるでしょう。
3.3.事業の社会的価値が高まる
3つ目のメリットは、対象事業の社会的価値が高まる点です。
将来性の高い事業計画を策定し、厳しい審査を通過した結果として補助金を受給できます。つまり、補助金の支給対象となったこと自体が「優位性や将来性がある事業計画である」と公的に認められた証となり、社会的な価値や信用が高まります。
自治体の観光プロモーションにおいて、補助金の活用は多くのメリットがある一方、デメリットもある点を認識しておきましょう。ここでは、補助金を活用するデメリットについて解説します。
4.1.申請や受給に時間がかかる
1つ目のデメリットは、補助金の申請や受給に時間がかかる点です。
補助金を受給するには、まず公募期間に応募して審査を受けなければなりません。審査を経て実施した事業の経費を報告すると、補助金が支給されます。したがって、すべてのステップを完了して補助金が支給されるまでに数ヶ月程度かかるケースが一般的です。
また、補助金申請には多数の書類や申請要件を整備する必要があり、さらに案件によっては二次審査もおこなわれるため、その点でも時間と労力を要します。
4.2.申請しても受給できないケースがある
2つ目のデメリットは、申請しても受給できないケースがある点です。
補助金とは、政策目標を達成するために趣旨に合致した事業を選定して税金を財源として支援する制度です。
それゆえ、各補助金の予算には限りがあり、件数の上限が定められている場合もあります。たとえ補助金を申請したとしても、厳正な審査によって支給対象外となるケースも少なくありません。
補助金の活用を検討する際は、開示されている補助金の目的や要綱を十分に理解し、趣旨に沿った形で申請をする必要があります。
4.3.立替払いをしなければならない
3つ目のデメリットは、立替払いをしなければならない点です。
補助金は、¥申請・採択・交付決定のあと、事業を実施した際の費用に対して交付されます。つまり、補助金は前払いで受給できるものではありません。
事業者は事業にかかる費用を一旦全額自己負担しなければなりません。その後、実施した事業内容と発生した費用を報告して、認められると補助金を受給できます。
したがって、補助金が受給される時期を逆算して、無理のない事業計画を立案しなければなりません。
国では、地方の観光客誘致の支援に向けて様々な補助金を準備しています。本章では、観光プロモーションに活用できる補助金を5つご紹介します。現在募集終了となっていても、追加募集される場合もあるためチェックしておきましょう。
5.1.補助金①「地域観光"新発見"事業」
「地域観光"新発見"事業」とは、国内旅行者・インバウンドの地方誘客を促進するための補助金制度です。
全国各地に埋もれている観光資源を掘り起こし、魅力ある観光コンテンツに磨きあげる事業を支援しています。また、マーケティングデータを活かした販路開拓や情報発信などによる誘客も対象です。具体的には、以下のような事業が当てはまります。
- ・観光に活用されていない地域産業の観光コンテンツ化
- ・海外の旅行業者とのマッチングや商談会
- ・オンラインを活用した地域に関する情報発信
補助金額の上限は1,250万円、最低事業費は600万円です(※1)。
※1)地域観光新発見事業事務局 地域観光"新発見"事業公式サイト
5.2.補助金②「特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業」
「特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業」とは、国内各地域の魅力を世界中に発信するための補助金制度です。
自然・文化・食などの地域の観光資源を、限定的でプレミアムな体験コンテンツとして情報発信ならびに提供してインバウンド需要を創出する取り組みを支援しています。具体的には、以下のような事業が対象です。
- ・国立公園の立ち入り禁止区域特別ツアー
- ・施設を夜間特別開館した音楽会&食事会イベント
- ・海外旅行業者を対象としたプロモーションイベント
国や地方自治体が所管する事業における補助金額の上限は8,000万円、最低事業費は3,000万円です(※2)。
※2)特別体験事業 公募事務局 特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業
5.3.補助金③「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」
「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」とは、観光客の受け入れと地域住民の生活との両立を図る補助金制度です。
オーバーツーリズムとは、観光客の過度な増加により地元住民の生活・自然環境などに悪影響をおよぼし、観光客の満足度を低下させるような状況です。観光地の魅力度低下を防ぐため、オーバーツーリズム解消に向けた取り組みを支援しています。具体的には、以下のような事業が対象です。
- ・電車・バス・タクシーなどの交通手段の充実
- ・観光スポットにおける混雑状況のリアルタイム配信
- ・多言語に対応した看板・デジタルサイネージの設置
自治体を中心とした地域関係者による協議で計画を策定・実施する「先駆モデル地域型」の補助金額の上限は8,000万円、それ以外の一般型の上限は5,000万円です(※3)。
※3)国土交通省 観光庁 オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業
5.4.補助金④「インバウンド安全・安心対策推進事業」
「インバウンド安全・安心対策推進事業」とは、災害などの緊急時における観光地や周辺の医療機関などの訪日外国人観光客への対応強化を図る補助金制度です。
気候変動などの影響により自然災害リスクが増加している日本において、インバウンドの滞在機会や滞在期間の拡大に向け、地域の観光危機管理の充実を支援しています。具体的には、以下のような事業が対象です。
- ・観光施設における非常用電源装置の整備
- ・非接触式キャッシュレス決済環境の整備
- ・医療機関における訪日外国人患者の受け入れ体制強化
補助金額は補助対象経費の2分の1以内です(※4)。
※4)国土交通省 観光庁 令和5年度補正予算事業「インバウンド安全・安心対策推進事業」の公募を開始します
5.5.補助金⑤「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」
「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」とは、城・社寺・古民家などの歴史的資源を観光コンテンツとして活用するための補助金制度です。
城・社寺・古民家など日本特有の建造物を活用した宿泊・滞在型コンテンツを軸に、周辺の自然や伝統文化なども活用した観光コンテンツを創出する事業を促進しています。具体的には、以下のような事業が対象です。
- ・城泊・寺泊・古民家泊ツアーの開催
- ・体験型・滞在型コンテンツの充実
- ・地域コンシェルジュの多言語対応化
補助金額の上限は歴史的建造物の改修・再建築および周辺環境の整備に対する支援が2億円、宿泊等環境整備に対する支援が2,000万円です(※5)。
※5)国土交通省 観光庁 観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)の地域公募を開始します
「まちあげ」とは、地方自治体のWebプロモーションを支援するプラットフォームです。
補助金を活用した事業を実施しても、適切なターゲティングをおこなってプロモーションを展開できなければ効果は見込めません。また、限られた補助金を効果的に活用するためには、費用対効果の高いプロモーションが重要です。
「まちあげ」は、自治体が実施する事業についてターゲットを絞ったWeb広告配信で貢献します。具体的には、以下のようなターゲティングによる訴求が可能です。
- ・属性(性別・年齢・居住エリア地など)
- ・旅行の目的(観光・グルメ・テーマパークなど)
- ・過去に訪問履歴がある方
ターゲットを絞った広告配信により、導入自治体の9割以上がKPIを達成するなど、効果的な観光プロモーションに寄与します。
補助金申請支援にも対応しており、補助金を活用した事業推進を検討している地方自治体に適したサービスです。
本記事では、観光プロモーションにおける補助金の仕組みや補助金を活用するメリット・デメリットを解説。併せて、2024年に観光プロモーションに活用できる補助金を5つご紹介しました。
自治体の観光振興において、補助金は資金調達に加えて社会的価値の向上などに役立ちます。補助金を活用して地域への観光誘客を成功に導くには、適切なターゲット層へのプロモーションが不可欠です。
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