北海道・東北地方の自治体における、観光事業の現状・課題・プロモーション事例を紹介

北海道・東北地方は、雄大な自然が広がるエリアです。雪・温泉・お祭り・郷土料理など魅力的な観光資源を数多く有する地域でもあります。全国的に訪日観光客におけるインバウンド需要が回復傾向にある中、北海道や東北の観光資源の魅力をより多くの方にアピールする効果的なプロモーションが不可欠です。

 

本記事では、北海道・東北地方の自治体における観光事業の現状・課題や両地域の連携に向けた取り組みについて解説します。

加えて、北海道と東北の観光資源を活用したプロモーション事例をご紹介します。北海道・東北地方の観光プロモーション戦略でお悩みの代理店のご担当者は、ぜひ最後までご覧ください。
   

目次を表示

  1.  北海道・東北、両地方における自治体の観光事業の現状
     1.1 北海道の観光事業の現状と動向
     1.2 東北6県の観光事業の現状と動向 
       
  2.  北海道・東北地方の観光事業における課題
     2.1 北海道の観光事業における課題
     2.2 東北地方の観光事業における課題

  3.  北海道・東北両地域を結ぶ観光連携と戦略
     3.1 広域観光周遊ルート形成促進事業
     3.2 日本の奥の院・東北探訪ルート
     3.3 JR東北・南北海道レールパス

  4.  北海道と東北の観光資源を活かした観光戦略
     4.1 アドベンチャートラベル
     4.2 Base!TOHOKU

  5.  北海道・東北地方における自治体の観光資源を活かしたプロモーション事例
     5.1 北海道
     5.2 青森県
     5.3 岩手県
     5.4 宮城県
     5.5 秋田県
     5.6 山形県
     5.7 福島県

  6.  自治体の課題解決に特化したマーケティングプロダクト「まちあげ」

  7.  まとめ


1. 北海道・東北、両地方における自治体の観光事業の現状

 

 

北海道・東北両地方とも自然豊かな観光資源に恵まれています。アジアおよび欧米豪の訪日外国人旅行者への意向調査でも、訪日旅行で体験したいことの上位に自然や風景の見物が挙がっています(※1,2)。


ここでは、北海道と東北両地域の観光事業の現状について解説します。


※1)株式会社日本政策投資銀行 北海道支店 【北海道地方版】DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(2022年度版)

※2)株式会社日本政策投資銀行 東北支店 【東北地方版】DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(2022年度版)



1.1 北海道の観光事業の現状と動向



北海道は雄大な自然に恵まれ、雪や温泉などの多彩な観光資源を有する地域です。国内旅行者のみならず、外国人旅行者からも人気が高いエリアでもあります。


【北海道地方版】DBJ・JTBF アジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査(2022年度版)

によると、北海道への訪問意欲は東京・富士山に次ぐ3位で、アジア圏の中では2位。訪日外国人に人気の観光地で、中でも台湾・香港では11年連続1位を記録しています(※3)。


2022年の北海道へ訪れた道外からの国内旅行者数は404万人、訪日外国人観光客は69万人。コロナ禍でゼロになったインバウンドも回復傾向にあります(※4)。


※3)株式会社日本政策投資銀行 北海道支店 【北海道地方版】DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(2022年度版)

※4)国土交通省 北海道運輸局 北海道の観光基礎データ(令和6年(2024年)1月17日)



1.2 東北6県の観光事業の現状と動向 



東北地方とは、一般的に青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県の6県を指します。数々のお祭りや景勝地・郷土料理など、魅力ある観光資源を数多く有するエリアです。


東日本大震災から約13年、東北地方では政府や地方公共団体・地域民間事業者が一丸となり、復興に向けて様々な取り組みをおこなってきました。政府は東北地方の復興・地域産業発展の柱として、2016年3月に『明日の日本を支える観光ビジョン』を掲げています。


2020年に東北6県の外国人延べ宿泊者数を150 万人泊(2015年の3倍)とする目標を掲げ、外国人誘致に関する取り組みを支援してきました。観光客を呼び込むためのプロモーションの実施などにより、2019年に東北6県の外国人延べ宿泊者数は、前年比30.5%増の約168万人泊を記録。政府目標を1年前倒しで達成しました(※5)。


新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、2022年の東北の日本人延べ宿泊者数は約3,384万人泊と、2019年同月比で19.1%減少しました。また、外国人観光客の延べ宿泊者数は約21万5千人泊と、2019年と比較して88.4%減と厳しい状況です(※6)。


※5)国土交通省 観光立国推進基本計画 

※6)国土交通省東北運輸局 宿泊旅行統計調査の令和4年(2022年)12月(第2次速報値)

 

 

2. 北海道・東北地方の観光事業における課題



ここからは、北海道と東北両地域での観光事業における課題について解説します。

 


2.1 北海道の観光事業における課題



北海道の観光事業における課題として、以下の3点が挙げられます。


  • ・外国人観光客が道央圏に集中している
  • ・欧米豪からの観光客の割合が少ない
  • ・繁閑格差がある

2022年の訪日外国人宿泊延べ数は、北海道全体の195万人に対して道央圏が139万人。約7割が道央圏に集中している状況です(※7)。


また、国籍別の訪日観光客にも偏りがあります。外国人延べ宿泊者数のうち、アメリカからの観光客の割合が全国平均の10.6%に対し、北海道は3.8%。アジア圏に比べて欧米豪の割合が少ないのが課題といえるでしょう(※8)。


3つ目は、繁閑格差です。特に、3〜6月時期、9〜11月時期が北海道では観光客数が落ち込む時期にあたり、年間を通した誘客施策が求められます。


地域経済の活性化には、各地域へ人を呼び込む施策が必要です。閑散期の観光コンテンツの拡充や、ターゲット層へのプロモーション活動に力を入れる必要があります。


※7)国土交通省北海道運輸局 北海道の観光基礎データ(令和6年(2024年)1月17)「北海道におけるインバウンド最新トレンド①」

※8)国土交通省北海道運輸局 北海道の観光基礎データ(令和6年(2024年)1月17)「北海道観光の構造的課題(1)ー観光入込の道央圏への集中」



2.2 東北地方の観光事業における課題



東北地方の観光事業の課題を、震災後の課題と従来からの課題の両面からみていきます。


<震災後の課題>

震災後に地域活性化の一環として、外国人旅行者向けのスポーツツーリズムを展開。しかしながら、認知度の低さや風評被害が誘客の妨げとなっていました。


また、風評被害を乗り越えるため、被災地12市町村を巡るツアーを展開したものの、認知不足や現地滞在時間の短さから魅力が伝わっていないといった課題もあります。


<従来からの課題>

従来からの課題として、近隣の市町村間・観光地間の連携不足が挙げられます。二次交通の充実を含めた旅行がしやすい広域観光ルートの形成が不可欠です。


また、東北地方の魅力が首都圏など他地域の方々に伝わっていないのも課題といえます。一例として、冬まつりやウインタースポーツなどの冬の東北の魅力が十分浸透しているとは言い難いです。


繁忙期となる夏だけでなく、冬の観光需要の強化が必要です。加えて、東北ならではの冬の魅力が伝わり、東北を訪問したくなるような情報発信が求められます。


※参照

国土交通省 東北観光基本計画の取組状況 資料3 ~フォローアップ結果~

復興庁 平成28年度〜令和2年度 「新しい東北」交流拡大モデル事業 

 


3. 北海道・東北両地域を結ぶ観光連携と戦略


ここからは、北海道と東北の両地域を結ぶ観光連携とその戦略について解説します。

 

3.1 広域観光周遊ルート形成促進事業



広域観光周遊ルート形成事業とは、訪日外国人旅行者の滞在型観光を促進し、地方活性化につながる取り組みを支援する事業です。


テーマやストーリー性を持ったルートを形成するため、具体的なモデルコースを選定し、地域の観光資源を活かしたコンテンツやプロモーションをおこないます。


北海道では「アジアの宝 悠久の自然美への道 ひがし北・海・道」が、東北では「日本の奥の院・東北探訪ルート」が、それぞれ国土交通大臣より認定を受けています。



3.2 日本の奥の院・東北探訪ルート



「日本の奥の院・東北探訪ルート」とは、北米や台湾・タイなどの訪日外国人旅行者を対象とする東北地方を周る広域観光周遊ルートです。


主に公共交通機関や二次交通を利用して、東北地方の自然景観・歴史文化と食の探訪を図ります。東北の色彩あざやかな四季や名産・郷土料理を楽しめたり、体験や交流を通して日本の未知の領域を感じたりできるルートとなっています。



3.3 JR東北・南北海道レールパス



JR東北・南北海道レールパスの正式な商品名は「JR Tohoku-South Hokkaido Rail Pass」です。訪日外国人旅行者に南北海道と東北エリアの広域周遊旅行を楽しんでもらうためのフリーパスになります。


札幌・函館・新千歳空港を含む、南北海道エリアおよび東北エリアの新幹線や特急列車・普通列車が乗り降り自由です。



4. 北海道と東北の観光資源を活かした観光戦略

 

 

続いて、中長期滞在や周遊促進を図るための観光戦略について解説します。



4.1 アドベンチャートラベル



北海道の観光資源を活かした観光戦略として、アドベンチャートラベルが挙げられます。アドベンチャートラベルとは、「アクティビティ」「自然」「異文化体験」のうち、2つ以上を組み合わせた旅行形態です。


アクティビティや各種体験を通じてその土地の自然と文化をより知ってもらうことによって、旅行者自身の自己変革・成長の実現を図る旅行スタイルです。


アドベンチャートラベルは一般的な観光よりも長期滞在が見込まれます。それゆえ、観光消費額も大きくなる傾向があり、地域への高い経済効果が期待されます。



4.2 Base!TOHOKU



Base!TOHOKUは、東北の観光資源を活かした観光戦略です。拠点となる土地のおすすめのモデルコースや楽しみ方を紹介するプロジェクトです。


東北の温泉での複数泊滞在をベース(BASE)に、まだ知らない東北の自然・文化・アクティビティを体験してもらう狙いがあります。

 


5. 北海道・東北地方における自治体の観光資源を活かしたプロモーション事例



次に、北海道・東北地方の観光資源を活かしたプロモーション事例について、各県2つずつご紹介します。



5.1 北海道


HOKKAIDO LOVE!

北海道の1つ目の事例は、北海道観光振興機構が運営する観光サイト「HOKKAIDO LOVE!」です。HOKKAIDO LOVE!では、イベントやモデルコースの紹介などをおこなっており、宿や交通機関の予約も可能です。


動画ライブラリーでは、四季折々の風景や温泉、アクティビティ、グルメなどを紹介しています。TEAM NACSが出演しているプロモーション動画の再生数は429万回(2024年1月現在)を記録した人気のコンテンツです(※7)。


2つ目は、美瑛町のプロモーション事例です。美瑛町は観光拠点の再構築・観光スポット周辺整備・町内関係団体の連携に基づく美瑛版DMOを創設し、プロモーションに取り組んでいます。


首都圏アンテナショップでの特産品販売を通じた町のPRなど、様々な取り組みをおこなっています。その結果、質の高いおもてなしの提供によって、「丘のまちびえい」のブランド力向上と交流人口の拡大につながりました。


※7)公益社団法人 北海道観光復興機構 Hokkaido Love!公式YouTube HOKKAIDO LOVE! 愛してるぜ北海道。 by TEAM NACS



5.2 青森県



青森の1つ目の事例は、青森市の総合観光ガイドブック「NIPPONここだけ青森」です。四季折々の青森の魅力を感じてもらうため、季節ごとのお祭りや観光名所だけでなく、おすすめの周遊コースも併せて紹介しています。


ねぶた祭を大迫力の映像で体験できるVR観光動画では、現地さながらの躍動感やスケール感をリアルに味わえます。


2つ目は、陸奥湾周辺の地元料理や温泉などの観光資源を楽しんでもらう取り組みです。青森の自然を感じてもらうため、むつ湾沿岸地域(青森市、むつ市、野辺地町、平内町、外ヶ浜町、横浜町、今別町、蓬田村)の3つの楽しみ方を紹介しています。


むつONEリレーウォーク」は、陸奥湾沿岸の各市町村をつなぐウォーキングイベントです。津軽半島・下北半島・夏泊半島の3つのコースに分かれており、それぞれのコース上にある観光資源を楽しみながら歩いてゴールを目指します。


むつ湾一周サイクリングコース」は、陸奥湾の海岸沿いを一周する総距離約270kmのサイクリングコースです。青森市を発着地点に、景勝地や漁農村の風景など多様な街並み・グルメを楽しみながら数日かけて走破します。


むつONEトレイル」は、陸奥湾沿岸の2市5町1村をつなぐ、陸奥湾一周約250kmのロングトレイルルートです。各地の自然や地域の文化を堪能しながら、海岸沿いや街道を歩く旅です。



5.3 岩手県



いわての旅

 

岩手県の1つ目の事例は、岩手県観光ポータルサイト「いわての旅」です。2024年3月31日まで「しあわせな予感♥いわて冬旅キャンペーン」を展開し、冬の魅力が詰まった特別企画や臨時列車などを紹介しています。


2つ目は、盛岡市と3つの世界文化遺産を会場に実施した外国人観光客向けイベントの事例です。ニューヨーク・タイムズ紙の「2023年に行くべき52か所」に盛岡市が紹介されました。これを契機に、さらなる観光の活性化に向けて以下の3つのイベントを開催しました。


  • 酒造りの技と試飲やコーヒーとジャズを楽しめる「もりおかプレミアムまちあるき」
  • 郷土芸能を鑑賞しながら料理を楽しめる「ビストロわんこ」
  • 外国人観光客を交えて楽しめる「わんこそば世界大会」

3つの世界文化遺産を会場にこれらのイベントを開催し、観光の活性化につなげています。



5.4 宮城県



宮城県の1つ目の事例は、TikTokとの連携によるショートムービーと動画コンテンツによるプロモーションです。


仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会は、TikTokの人気クリエーター4名とのコラボによる宮城県の魅力を発信するキャンペーンを展開。宮城県の見所・グルメ・体験などの、観光コンテンツの魅力を端的に伝えるため、ショートムービーを制作・発信しています。


2つ目は、国内外からの誘客を目的とした観光プロモーション動画です。YouTubeチャンネル「Miyagi Tourism」で、蔵王の御釜などの絶景観光スポットを360度ドローンカメラ映像で紹介しています。動画は英語および台湾語にも対応しているため、国外の方でも楽しめるようになっています。



5.5 秋田県



行け、行け、アキタ

 

秋田県の1つ目の事例は、秋田犬の「アキタ」が県内の様々な観光スポットを訪れて秋田県の魅力を伝えていく「行け、行け、アキタ」キャンペーンです。


2016年から2018年にかけて首都圏の主要交通機関を活用したプロモーションなどを展開。SNSでも広く拡散されて秋田県への誘客促進につながりました。


2つ目は、プロモーション動画によるPRです。動画は「ライフ・イズ・ジャーニー」のタイトルで、ドラマ仕立てになっています。秋田市に住む夫婦が観光地や飲食店などをめぐり、地元の魅力を再発見するストーリーです。


東北三大祭りのひとつ「秋田竿燈まつり」や、ねぶり流し館・伏伸の滝など、40か所以上の観光スポットを14分の動画で紹介しています。



5.6 山形県



山形県の1つ目の事例は、山形市と楽天トラベルが共同制作した観光プロモーションサイトです。心身の健康や幸福感を表す「ウェルネス」を旅のテーマに、蔵王・山寺・まちなかエリアに特化した観光コンテンツの魅力を発信しています。


サイト内では、山形市内の宿泊予約で利用できる期間限定のクーポンやふるさと納税クーポンを掲載しています。ふるさと納税クーポンは、ふるさと納税の返礼品として楽天トラベル内での宿泊予約に利用可能です。


2つ目は、インバウンド向けのプロモーション動画です。YouTubeチャンネル「myyamagata」で、春・夏・秋・冬と季節ごとに四季折々の山形の魅力を紹介しています。



5.7 福島県



ふくしま 知らなかった大使

 

福島県の1つ目の事例は、福島県の魅力を紹介するWebサイト「ふくしま 知らなかった大使」のPR動画です。


女優・松岡茉優さんが実際に県内の様々な場所を訪れ、まだまだ知られていない福島の魅力を紹介しています。動画はこれまでに20本(2024年1月現在)公開されています。


また同サイトでは、地域ごとの観光スポットやグルメを紹介する「ふくしま周遊ガイドマップ」も公開されており、パソコンやスマートフォンで閲覧可能です。


2つ目は、インフルエンサーとコラボした動画「#これからふくしま」です。「#これからふくしま」では、プロトラベラーのインフルエンサー2名がおすすめスポットやグルメ・宿泊施設などを地域ごとに紹介しています。


また、楽天トラベルとタイアップした「#これからふくしま 特設ページ」を開設し、福島の観光情報や宿泊施設を紹介しています。サイト内では、福島県までのアクセス情報の確認や宿泊施設の空室検索・予約が可能です。

 


6. 自治体の課題解決に特化したマーケティングプロダクト「まちあげ」


 

「まちあげ」は、自治体に特化したマーケティングプロダクトです。自治体が抱える課題やニーズに合わせて、ターゲットを絞った広告配信が可能です。


例えば、観光サイトの閲覧履歴から観光に興味があるユーザー層や、過去に訪問履歴があるユーザーに対してアプローチができます。広告配信後は興味を持った方が実際に観光地を訪れたかどうかの来訪計測をおこない、想定消費額を算出。プロモーションに対する費用対効果の分析に役立てられます。

 


7. まとめ

 

北海道・東北両地方は雄大な自然以外にも、雪やお祭り、郷土料理など観光資源が豊富です。しかしながら、人気エリアの偏りや繁閑の差がある点が課題です。


両地方を結ぶ広域観光周遊ルートの強化や、季節の魅力が伝わるプロモーションの実施が、誘客につながるカギといえるでしょう。


マイクロアドが提供する「まちあげ」は、地域の観光資源を活かしたプロモーションに効果的です。代理店担当者の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。資料ダウンロード

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